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アマゾン KDPで自費出版ブームが来る?

2012年10月25日ついに電子書籍を自費出版できる「Kindleダイレクト・」の日本版が、Amazon.co.jpでスタートしました。

▼アマゾン Kindle

Kindle Paperwhiteは読書に特化した端末です。読書に集中できるように設計されたKindle Paperwhiteで最高の読書体験を。

(Kindle)は、アマゾンの電子書籍を読むための携帯電子書籍端末です。
アメリカでは既に提供されていましたが、日本語にはまだ対応していなかったため、出るぞ出るぞと言われていてようやく出る形になります。
端末と日本語ストアの提供とともに、作家向けに「Kindleダイレクト・パブリッシング」略して「KDP」もスタートします。

▼Kindle ・パブリッシング (KDP) へようこそ

AmazonのKindleダイレクト・パブリッシング(KDP)の情報をお探しですか? KDPは、著者および出版者の皆様が、KindleおよびKindleアプリ用の本を自分の思いどお

これから自費出版とKDPについてお話します。
自費出版というと、かつては「あなたの自伝を書いてみませんか?」と詐欺まがいの営業を受ける人が多くいました。
初期費用で数百万円をふっかけられるなんてこともあったようです。

「本を出す」というのは一昔前は、社会から有用な情報を持つ人と認められるわけで、大変なステータスでした。
ところがネット時代になって、情報が共有されるようになると世の中に溢れるのは、

なんだか「どこかで見た内容」ばかりとなり情報に対する価値は低下して行きます。
単に他人の反応を見たければブログに書けばいいからです。
今は本がなかなか売れない時代なのです。

また作家が出版社から出版する場合、企画書を何枚も書いて推敲を重ね、ようやく出版に漕ぎ着けます。
本は売れなければ在庫となってしまいますからリスクがあります。
最初は印税が安く、しかもそれが振り込まれるのはおよそ半年後です。
印税は多くて10%程度です。駆け出し作家の場合はもっと低くなります。

企画が採用され、出版にまで漕ぎ着け、印税が入るまでには一年以上掛かることはザラです。
もし、売れなければ次からは出版のお呼びは掛からない不良作家のレッテルを貼られてしまいます。下手をすると在庫を自ら買わされ処分なんてこともあります。

自費出版をすればこのような面倒なこともないのですが、販売ルートもない、販促活動もろくにできない、知名度もない状態ではまず売れません。
いくら本の内容が良くても力のある出版社がバックに付かないと重版を重ねることは難しいのです。
宗教法人でカリスマが信者向けに配布する教本などであれば関係ないかもしれませんが。

では、自費出版も難しいのか? というと待望のKDPの登場です。
アマゾンという巨大な売り場でネットを使って配布してくれます。
販売ルートや販促活動は不要です。

デジタルコンテンツなので、実際に紙として出版するわけではないため、在庫の心配は要りません。
ロイヤリティ()も書籍が6~10%なのに比べると35%と高めに設定されています。
レビューがあるので、内容が良ければ売れる可能性は高いと言えます。
リスクが低く、チャンスは多い。それがKDPのメリットということになります。

では、KDPで出版するにはどうすればいいのか? またなにが必要か?
KDPは、データの入稿さえ自分でしてしまえば、あとはアマゾンが売ってくれます。
売ってくれるといっても買える状態になる、という意味で積極的に売るという意味ではありません。
実際に本が売れたら、登録した銀行口座にお金が入ります。
非常にシンプルです。

入稿はデータさえ間違っていなければ簡単です。
もちろんアマゾンのアカウントは必要です。
アカウントを登録していれば、ログインして専用フォームに印税を受け取る銀行口座を登録します。
本のタイトルと説明を書き、表紙と原稿のデータを入稿します。
あとは価格を決めて終了です。
一通り設定すれば、48時間以内に審査を行われるとあります。
あとは待つだけ。

▼Amazon Kindle ダイレクト・パブリッシング ログイン画面

Amazon の Kindle ダイレクト・パブリッシング (KDP) は、ブログ、投稿小説、ケータイ小説や、自費出版で販売している小説、漫画、写真集、子供向け絵本など、さまざまな

難しいといえば、原稿の作成方法でしょうか。
デジタルデータなので、単なるテキスト文書というわけにはいきません。
読書端末のキンドルで読めるようにデータを変換する必要があります。

変換についてはアマゾン公式の変換ツール「KindleGen」が用意されています。
KindleGenでデータを変換し、Kindle Previewerを使って出来上がりを確認します。

▼KindleGenとKindle Previewerのダウンロード(自動翻訳しています)

キンドルで読める形式は、HTML、XHTML、XML(OPF / IDPF形式)、またはEPUBとあります。基本的にはテキストのXML文書です。

データ作成については、テキストベースのシンプルなものであれば、
テキスト打ちしたものを、EPUB形式にツールで変換し、Kindleのmobi形式に変換します。 Kindle Previewerは変換したmobiファイルを実際にプレビューできるのでおすすめです。

テキストデータからEPUB形式への変換はAozoraEpub3というフリーソフトがあります。
簡単にEPUB3(3.0)に簡単に変換してくれます。
もともとは青空文庫用の変換ツールですが、他のテキストデータも問題なく変換してくれる優れものです。
青空文庫の記入法をそのまま利用すれば、改頁なども簡単に入力でき操作も直感的です。

因みに、青空文庫とは、日本国内において著作権が消滅した文学作品、あるいは著作権は消滅していないものの著作権者が当該サイトにおける送信可能化を許諾した文学作品を収集・公開しているインターネット上の電子図書館です。

▼AozoraEpub3のダウンロード(本家ではありませんが説明が親切です)

AozoraEpub3 は青空文庫のテキストを ePub3 形式に変換してくれるソフト。 制作者   : 物置Wiki 言語    : 日本語 対応OS  : ALL ライセンス

▼EPUP形式とは Wikipedia

しかし、図版やレイアウトに拘りたい場合もあると思います。
この場合は、アドビのDTPソフトであるAdobe InDesignのプラグインが用意されています。 InDesignで本を作るように編集したデータをプラグインで専用形式に変換してくれます。
プロでもなければ持っていないソフトだと思いますが、プロであればこういう手も用意されていると憶えておいて下さい。

EPUB形式ではSVG形式をサポートしているので、イラストレーターでもHTMLの修正は必要ですが作成可能です。

試験的にWordファイルもサポートされているとありますから、将来的にはワードで作った文書をそのままアップロードできると思われます。
近いうちに変換用のフリーソフトも出揃うと思います。
米国では有料の変換サービスも存在します。

まだ従来のPDF形式に変換という手軽さはないので注意して下さい。

補足ですがEPUB形式の面白いところは、テキストだけのサポートではないことです。
動画や音声の埋め込みも可能です。 マルチメディア形式なので、ここが書籍と差別化できるポイントなのかもしれません。

それから、表紙画像は必ず必要です。 これはイメージフリーサイトからダウンロードして、タイトルを重ねればOKですね。

無事にDKPに登録したとします。
では、DKPの仕組みってどうなっているのでしょうか?
変わっているのが、Kindle Lending Libraryというサービスです。
日本ではまだ始まっていません。
このサービスはなにかというと、書籍のレンタルサービスです。
レンタルを許可するかどうかを聞かれます。

で、登録をすると、アマゾンプライム会員であれば、書籍を月に1冊まで追加料金なしで読むことできます。
なんのためにこのようなサービスがあるかというと、書籍の立ち読みのようなものです。自費出版は同人誌扱いですから、玉石混交になるはずです。
すると、読んでみないとその作家が実際におもしろいかどうかは分かりません。

そこで、宣伝と集客を兼ねてレンタル本というわけです。
自費出版サービスで作家と本を集めておいて、貸し出しサービスで顧客を集める、というダブルでうまい仕組みになっています。

Lending Library経由で受け取れる印税については総額がサービス全体で決まっていて、実際に読まれた本の割合で作家に分配されます。
自費出版本がある程度揃えば、日本でも開始されることになると思います。
以前、米国の女子高生が月に何十万かを稼いだということもあり、競争が激しくなってくると利用せざるを得なくなることでしょう。

さらに、本のまた貸しというサービスもあります。
これは本を購入したユーザーが、一定期間のあいだ友達に本を貸せる機能です。
ちゃんと貸している間は、購入した本人は読むことができなくなっています。
これも作家が自分で設定できます。

そして、DRM(デジタルデータとして表現されたコンテンツの著作権を保護し、その利用や複製を制御・制限する技術の総称)の有無を選べます。
要するに、DRMを無しにすると購入者はコピーができ再配布が可能となります。売上目的ではなく、配本が目的である場合は便利な機能です。

最も気になるのがロイヤリティ(印税)だと思います。
前述しましたが、KDPの印税は35%です。70%という印税も選べますが、この場合は書籍がダウンロードされるのに掛かったパケット通信費が売上から引かれることになります。 実質的には55%前後という情報もあります。

最低価格は100円からです。100円以下にはできません。
印税が35%ですから、100円の本が売れると35円が取り分ということです。
1冊売れたら100円の利益を出したい場合は、約286円にする必要があります。
消費税で込みてあれば300円にする必要があります。
とはいえ、電子書籍の自費出版の相場は数百円で、高くて500円がいいところです。

1冊300円の書籍で、1万円の利益を出すには100冊売る必要があり、10万円であれば1000冊売る必要があり、100万円であれば1万冊売る必要があります。

紙の普通の書籍で初版は5千部程度なので、1万冊というと重版が掛かることになります。それがどれだけ難しいかは想像できると思います。

KDPから無名の大作家が生まれる日も遠くはないと思いますが、KDPだけで大儲けというのは難しいと思います。
KDPで書籍を販売し、作家として名前を憶えてもらい、何かに繋げるという方が現実的かもしれません。

具体的には面白さが見込まれて、コラムの依頼や講演の依頼がきたりするかもしれません。作家の稼ぎ方として、一本だけではきついので長くヒットする書籍をたくさん出すことで、相乗効果を狙うことができます。
1万冊売ることは難しくても、手頃なものを10冊出すことで千部で済むことになります。

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