デフレを脱却したい日本と世界から批判される日本

「アベノミクスでデフレ脱却はできるのか?」の続きです。
次々と打ち出される経済政策ですが、果たして効果はあるのでしょうか?
日本は来年、2%を達成するまで無期限緩和を実施すると発表しています。

▼日銀、2%物価目標を決定=来年からは無期限緩和-政府と「共同声明」発表

▼日銀緩和決定に懐疑論も – デフレ脱却から程遠いとの見方

安倍首相は22日の日銀の決定を大きな変化だと評価したが、資産購入額は従来と大差なく、人事権の行使の効果にも懐疑的な見方が多い。

来年早々、期限を定めず毎月一定額の国債などの金融資産を買い入れしていく、というものです。
今まで円高傾向にあり円が余っていたので、そのお金で買い漁ろうというわけです。
すると円安が進み、日本のように海外に生産拠点を持ち、輸出に頼る国は儲かる、というわけです。
一方で円安が進むと輸入されるものは値上げとなり、必然的に物価が上昇します。

自国の通貨が安い方がいい、というのはなんともおかしなものですね。
円安というのは、円が安くて価値がない、という理解の仕方より、買う相手がお金をたくさん持っている、ということになります。
小学生相手に商売するよりも、大人相手に商売した方が儲かる、というイメージです。

逆に自国の通貨が高くなり過ぎる、ということは大人が小学生相手に商売するようなもので、相手に経済力がないわけですから、結果的に買い叩かれてしまうわけです。仕方ありません。

ところが、自国の通貨を安くして利鞘を稼ぐ、ということはどこの国でもやっていることなのですが、日本はなぜか各国から批判され牽制されています。

なぜ批判されたり、牽制されるのか?
理由は、日本の政府が行き過ぎた円安誘導をするということは、貿易相手国の経済を悪化させかねないからです。

▼世界各地で日本の円安誘導に批判=日本は「切り下げ競争ではない」と反論―香港メディア

2013年1月19日、香港文匯網によると、安倍首相の円安圧力により、日本円は対米ドルで6%以上も下落、昨年9月13日の高値からは14%下落している。日本円の下落は、米国等の貿易相手

▼<アベノミクス>海外から批判…通貨安競争を助長
http://mainichi.jp/select/news/20130119k0000m020079000c.html

これが政府ではなく、投機筋といった民間であれば自然の成り行きということになるのですが、日本の場合は日銀を脅してやるわけですから、下手をすれば通貨戦争になる、というわけです。
日本は「行き過ぎた円安」か「望ましい円安」かで揺れています。

もちろんデフレ脱却には、脱却するまで徹底的に買い漁って換金するしかないわけです。日本はずっとデフレであり、国力も非常に落ちています。
このままだと少子化も影響して、国際競争力がどんどん落ちてしまいます。
国民の貯金も減る一方です。生活困窮者や自殺者も増えています。

働いても生活が苦しいワーキングプアが増えれば、安心して子供を育てられるわけがないので、少子化は加速します。
なのでデフレ脱却は必須であり、人口が実際にどんどん減っているわけで、一刻の猶予も許されない状況だと言えます。

あとは、日本の立場と貿易相手国の理解です。
これが得られるかというと、得られるわけがないのです。
なぜなら、日本の円安誘導を許してしまうと「じゃあ、我が国も!」ということになりかねないからです。

お金は日銀といったその国の中央銀行が発行しています。
これが勝手にじゃんじゃんお金を発行して、他国の資産を買い漁るとどうなるかというと通貨価値が暴落します。いわゆる通貨戦争です。

水が出続けて高低差が無くなると、もはやどこにも流れて行かないことに似ています。経済の高低差といってもいいでしょう。
では、経済の高低差を作るにはどうすればいいかというと、蛇口をひねる(お金を発行する)だけでいいのです。

その蛇口のひねるタイミングやひねる量については、力関係、つまりその国の軍事力によって決まります。
企業力だとか、総人口も関係してきますが、やっぱり最後は軍事力です。
あんまり嘗めた真似をしていれば、声明が発表され、強い非難を浴びせられます。それでも改善しない場合は経済制裁が行われ、さらにそれでも改善しなければ武力介入ということになります。

こうやって打ち出の小槌である蛇口のひねり具合を調整してきたわけです。
蛇口の水は錬金術であり、いつでも通貨を発行できる危険なものです。
なので大抵は中央銀行は政府とは別機関であり、独自の裁量に基いて行動しています。
日銀がやり玉にあげられていたのは、そういうことです。

国民や企業にしてみれば、日本のためにさっさと蛇口をひねりやがれ、ということなのですが、世界経済のバランスを考えると国益より上のレイヤーにあることなので、なかなか難しかったわけです。

そこで、アベノミクスでは日銀に相当強い圧力をかけて言うことを聞かせ、さらに軍事力を高めるために自衛隊を縛っている憲法改正を目論んでいます。
蛇口のある小屋の鍵とそれを守る門番。これが必要なのです。

核兵器五大国(核兵器保持を認められた第二次世界大戦戦勝国)以外は核兵器は持てないことになっているので、その代わり国防のための核兵器の燃料となる原子力発電所は無くせない、というわけです。

続く。

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