あなたの10年後の履歴書 その4 デフレの正体

前回はグローバル化が進むとデフレスパイラルになる、という話をしました。
理由は買い手の総数と買い手の経済力は有限だからです。
グローバル化が進み売り手が増えて、価格競争に陥ると各社差別化を図ります。

ところが、差別化をして市場を細分化しても、買い手の総数と買い手の経済力は限られているので、シェアも細分化することになります。
よほどの技術革新がない限りは、過当競争に陥ってしまうのです。

シェアが細分化するということは、利益が少ないということです。
少ない利益をカバーするためには、技術革新によって魅力ある製品を作るしかありません。しかし、技術革新ができない企業はどうするかというと、製品価格を下げてきます。これがデフレの要因となります。

一流の商品は賛成だけれど、一流の価格を支払うことに賛成するわけではないのです。良い物を安く買えるに越したことはありません。
消費する側の景気が良くお金に糸目を付けないのであれば高級品嗜好は高まると思いますが、不景気になると、価格は控え目で、その中で良い物を探すようになります。

要するに、一度不景気になり、財布の紐が堅くなると、安売りの投げ売り状態でないとモノが売れなくなってしまうのです。高級品は記念日にだけとか、何か特別なことがあったお祝いだけにと、依然として需要があっても頻度は減っていくことになります。

ところで、そもそもどうしてグローバル化がデフレの要因となり、不景気を加速するのでしょうか?
理屈では分かっていても、世界中のみんながひとつとなって、様々なことに取り組んでいけば良い方向に向かう気がします。

しかし、実際にはそうではありません。互換性のあるコンピュータが世界中に普及しましたが、仕事は楽になるどころか増え続けています。
便利な機械や家電が増えて労働が楽になっても暮らしが豊かになるかというとそうではありません。
それどころか、そもそも自分の仕事がなぜお金になるのかを考えると不思議ではないでしょうか?

どうして、この作業にお金が発生するのか? もちろん、雇用されていれば雇用主から支払われているのは当然ですが、雇用主はどこからお金を得ているのでしょうか? それはお客です。企業であれ個人であれ客がいて、そこから入金があるはずです。

ではその客はどうやってお金を得ているのか?
これまたやはり客からのはずです。必ず原因があって結果があるのです。
これを繰り返して行くとやがてどこかに辿り着きます。それはなにか?

第一次産業です。第一次産業とは、自然界に働きかけて直接に富を取得する産業です。農業、林業、漁業、鉱業が該当しますが、これに近代ではエネルギー産業と知的財産権や著作権をプラスします。

つまり、労働の元になるのは食料であり、製造の元になるのは資源です。
最低限、人が働くにはごはんがあれば十分です。モノを作るには材料と動力があれば可能です。

食料は農業や漁業によって賄われています。資源は鉱業、エネルギーは石油や天然ガス、原子力、水力、火力、風力といった自然エネルギーを利用しています。

話が長くなりましたが、基本的に第一次産業というのは無料なのです。
農作物が育つのも木が育つのも、家畜が成長するのも全て無料です。
鉄や銅といった鉱物から、石油といった天然資源も全て無料です。
採取や採掘するのに多少コストは掛かりますが、基本的には無料なのです。

例えば、お米に人格があって自分を採取するのならいくらいくら要求する、ということはないし、家畜が屠殺に対してなんら異議を唱えることはありません。鉱物は本来誰のものでもありません。

つまり、第一次産業は基本的に無料なのに、そこになんからの付加価値を与えて流通している、ということは通貨偽造に近いことなのです。
インフレーションが起きるのは当然です。
お金が実体以上に流通している理由のひとつです。
無料なのだから、タダ同然で分配するべきなのです。
電気もタダにしてしまえばいいのです。

しかし、枯渇するという理由で多くは有料です。
タダ同然なのに有料で販売するとどうなるかというと、元々価値が無かったものに価値が生まれるのだから、等価交換が進むと必ず派生する第二次産業と第三次産業の価値もゼロに等しくなっていくのです。
直感に反するでしょ?

知的財産権や著作権も同様です。本来は価値がない共有財産なのに権利を認めると、車輪の再開発をする必要が出てきます。
同じものだと違法になるので、無駄にちょっと違ったものを作るのは、無駄な複製です。無駄な複製に価値を認めると、やはり等価交換が進むと無価値になります。知識は得るまで時間と労力が掛かりますが、得てしまえばそれ以上コストは掛からないのです。

第一次産業を利権団体が独占すると、当然のことながらどこかでその辻褄を合わせ無くてはならないのです。その辻褄が合わなくなれば世界中を巻き込んで、リスクや負債を分配する必要があるのです。
それがグローバリズムの正体です。

続く。

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