あなたの10年後の履歴書 その5 デフレに強い職業は何か?

前回はデフレの原因は、本来無料であるはずの第一次産業を有料で付加価値を付けて分配した結果、価値のインフレーションが起き、相対的に実体経済と釣りあわなくなったことが原因という話をしました。
デフレの原因がなんであれ、「グローバル化のしわ寄せが押し寄せる」というのが紛れもない事実です。

グローバル化のしわ寄せが押し寄せるとどうなるかというと、ダウンバーストが吹荒れる血で血を洗うような「修羅道の世界」が待っています。
修羅道というのは仏教において迷いあるものが輪廻するという六道(りくどう)のうちのひとつで、終始争い苦しみや怒りが絶えない世界だと言われています。

何もしなければ多くの人々、多分9割の人々は「修羅道の世界」に巻き込まれるか、負けて畜生道、餓鬼道、地獄道へと転落します。
ここで分かりやすく仏教の六道になぞらえて、職業を分類したいと思います。

【天 道】 政治家・官僚・金持ちや特権階級など

天道は天人が住まう世界です。天人は人間よりも優れた存在とされ、寿命は非常に長く、また苦しみも人間道に比べてほとんどないとされています。
また、空を飛ぶことができ享楽のうちに生涯を過ごすといわています。
しかしながら煩悩から解き放たれていません。

】 弁護士・医者・薬剤師・公務員・サービス業・農業など

人間道は人間が住む世界です。四苦八苦に悩まされる苦しみの大きい世界です、苦しみが続くばかりではなく楽しみもあるとされています。
また、仏になりうるという救いもあります。

【修羅道】 投資家・金融業・上場企業・IT企業・スーパー・飲食店・アーティストなど

修羅道は終始争い苦しみや怒りが絶えない世界です。
しかし、苦しみや怒りが絶えないが地獄のような場所ではなく、苦しみは自らに帰結し、その大きさは自分次第です。

】 一般サラリーマン・新卒者・フリーター・契約社員など

畜生道は牛馬など畜生の世界です。ほとんど本能だけで生きており、使役されなされるがままという点からは自力で仏の教えを得ることの出来ず救いの少ない世界とされています。

【餓鬼道】 学生・主婦・ニート・無職・介護など

餓鬼道は餓鬼の世界です。餓鬼は腹が膨れた姿の鬼で、食べ物を口に入れようとすると火となってしまい餓えと渇きに悩まされます。
他人を慮らなかったために餓鬼になることもあります。

【地獄道】 犯罪者・前科者・ブラックリスト・多重債務者など

地獄道は罪を償わせるための世界です。

では、デフレに強い職業はなにかというと、天道と人間道です。

【天 道】 政治家・官僚・金持ちや特権階級など
【人間道】 弁護士・医者・薬剤師・公務員・サービス業・農業など

どんなにデフレで不況になっても、最低限の社会サービスと生活の維持はなくなることがないからです。これは当たり前過ぎるほど当たり前ですよね。
もちろん今からいきなり成られる職業ではありません。
天道と人間道は除外して考えた方がいいでしょう。

大抵の人は修羅道や畜生道の世界に属しています。
特に日本のモノづくり系で輸出を前提としている場合は為替差損でモロに煽りを受けます。

また輸出をしていなくても、取引先が修羅道や畜生道に属していれば、やはり影響を受けてしまいます。
海外取引やネット取引といった外部との接地面積が広いビジネス業態ほど影響を受けやすいのです。

修羅道や畜生道は良いときは良いのですが、ダメな時はとことんダメになります。リカバリーが難しいのです。
なぜかというと、ビジネス規模に応じて伸縮が難しいからです。

例えば、典型的なのが人件費です。海外拠点になんらかの問題があり、一時的に取引が縮小したとします。この時、取引規模に応じて人材を縮小できればいいのですが、そうも行きません。

リストラを断行してしまえば確かに固定費はかかりませんが、スキルを持った人材まで流出してしまいます。再び取引が正常化すれば人を雇いなおす必要があり、人材教育も最初からしなければなりません。

人間には感情がありますから、あまりに無下に雇用と解雇を繰り返しているとストライキが起きてしまいます。彼らにも生活があるからです。
かといって雇い続ければ毎月高い人件費がかさんでいきます。

人材は職を求めて移動できないため、グローバル化が進み拠点が分散すると大規模な海外拠点を持つ企業は大きなあおりを受けてしまうのです。

例えば、近年では異常気象もグローバル化してきており、2011年にはタイで大洪水が長期にわたり起きてしまい、海抜の低い工業地帯が水没してしまうことがありました。

この水害により日系企業がたくさん進出しているタイでは大きな損失が発生し、倒産する企業も出ました。就業しているタイ人も多くの人が失業しました。
水害でなくても、急に拠点が例えば中国からインドネシアに移ってしまえば、同様のことが起きてしまいます。末端の企業も漏れなく影響を受けてしまいます。

日本のGDPの多くを占める大手企業が赤字になると、当然のことながら日本全体にお金が回らなくなるのです。

とすると、デフレに強いというのは職業ではなく、ビジネス規模とビジネス業態、そして顧客層の3つにポイントがあると言えそうです。

続く。

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