楽天市場が中国市場撤退 その影響とは?

今年5月に楽天市場が中国市場を撤退というニュースが報じられました。

、中国のショッピングサイト「楽酷天」を終了へ

ヤフーもチャイナモールが撤退していますよね。
楽天は社内公用語を英語にするなど、海外進出には意欲的だったのですが、どうしてこのような結果になってしまったのでしょうか?

理由として挙げられるのは、日本と中国の常識が違い過ぎた、ということです。
楽天というと画面が縦に長細い何回もスクロールしないと商品に辿り着けないセールスデコページが特徴的です。
○○部門で一位獲得といった自慢に始まり、お客様の声のコピペから職人さんのこだわり紹介など、非常に賑やかです。

日本ではセールスデコページが根強い人気があるのですが、中国ではまったく受けなかったそうです。
なぜかというと、中国ではそもそもネット通販は信用がないので、買ってみて届いて気に入らなければ返品する、というのが普通だからです。
いいか悪いかは使ってみて判断する、という後出しが普通です。

日本の場合は基本的に返品は極力避けたいので、事前に説明し過ぎるほど説明します。
さらに日本では馴染みはないのですが、中国のオンラインショップでは、オンタイムでチャットをしてその場で商品の交渉をします。
中国語ができない日本人店主にとって大きなハンディキャップとなります。

日本では良い物にはお金を出してもいい、という風潮ですが、中国では良い物こそ値切れる、という風潮があります。良い物を値切って買うことができればさらにお得だというわけです。逆なのです。
また乱立する中国のオンラインショッピングサイトと比較して送料の高さがネックとなりました。
大体このような理由だそうです。

因みに中国が日本人向けに開いているオンラインサイトの売上は悪くないようです。小売店やバイヤーを仲介せず、直売に近い形で販売しているので、明らかに日本より安いからです。

では、楽天市場の中国市場撤退は何を意味しているのかというと、オンライン市場は無限ではない、ということです。
理論的にはほぼ無限なのですが、実際には様々な問題があり有限なのです。

楽天やヤフーの中国進出の理由は、豊臣秀吉の朝鮮出兵に似ています。
戦後の論功行賞を巡って諸大名が紛争を起こし内乱となるのを恐れた秀吉は、領地を外国に求めました。
日本で褒美として与えられる土地がなくなってしまったので、近くの朝鮮に侵略しようと考えたのです。

楽天市場は非常に高い加盟費をショップオーナーに課しています。
昔は加盟費を支払い楽天に加盟していれば売れた時代もありましたが、今はそう簡単には行きません。ライバル店が増え過ぎて過当競争が起こり、加盟費の他に広告費を支払わなければ集客がままならないのです。
この広告費は競争入札制で、モール内のショップオーナー同士が争う形となり広告費は釣り上がります。共喰いです。

楽天市場に人が来るから、という時代からショップオーナー自体が逆にお金を払ってまで客を呼び込む時代になってしまったのです。モールのメリットがほとんどないのです。

しかも、オンラインスペースはいくらでも増やせるからという理由で、新規にどんどんショップオーナーを勧誘しています。
これでは不満が噴出するのは仕方がありません。メリットがないからです。
そこで楽天は海外進出を図ることになったのです。

しかし、それが不発に終わった今、リバウンドが発生することが予想されます。
急速に拡大を続け壁にぶちあたった結果、膨張が難しくなり、反動で急激な収縮が起きると思われます。

楽天市場に情報弱者のショップオーナーを参加させることを止めない限りは、成長の陰りが見えている以上、市場は飽和を続け、スケールメリットが誇大広告で詐欺だったと気が付くことになります。
その後は加盟店の脱退が相次ぐことになると思います。
訴訟もどんどん起きると思われます。

問題は日本を代表する楽天市場やヤフーショッピングサイトが行き詰まる、ということは、日本のオンライン市場も行き詰まる、ということです。
これはTPPの問題に関連することかもしれません。

グローバルに市場が連結し、様々な人達が市場に参入すると市場は活性化する、というのがTPPのメリットだと言われていますが、実際はどうなのでしょうか?

競争により価格は低下し利益は少なくなるのではないかと思われます。
消費者は安くて良い品を手に入れられる可能性はありますが、それはある意味日本の安売りを意味しています。

消費者は安くて良い品を手に入れられても、受け取る給与も少なくなる可能性があります。これではトントンです。
これからのオンライン市場の動向が注目されます。

【引用元 goo イメージサムネイル】

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