ギリシャユーロ離脱秒読みか 前兆の取り付け騒ぎ 前編

先週になってギリシャ危機再燃か、というニュースが報じられています。
日本もIMFに巨額(600億ドル=約5兆円)をいちはやく拠出すると表明していました。

復興と増税で揺れるお金のない日本がなぜ外国に対して、このような大金を預けるのか? それはギリシャショックが起これば、現在の金融経済が麻痺するからです。

ひとたび世界経済が崩壊すれば、ネットワークで繋がる市場は一気に同時崩壊し、対処する時間がないくらいあっという間なのです。あっという間に世界中のお金が失われることになります。
日本が大金を拠出しなければならないくらいヤバイ問題。

それがEUの問題なのです。

これまでの流れを簡単に説明します。ギリシャに端を発したギリシャ危機ですが、ギリシャの財政悪化により経済が破綻(デフォルト)することが判明しました。ギリシャは自国の通貨ドラクマからユーロに切り替わったことによって通貨価値が一気に上昇し、生活が豊かになりました。

国民の4割を公務員に採用する、退職しても現職時の9割をもらえるなど、実体と掛け離れた裕福な生活を送っていたのです。これが後にギリシャ人の大量自殺へと繋がります。結果として財政が破綻することになるわけですから政府はなにをしていたのか? と思われるかもしれませんが、政治はポピュリズム(人気取り政策)が行われていました。

ポピュリズムというのは国民が望むことを率先して行う政治思想です。
ただし、国民は勝手なことを言いますから、現実性があるかどうかについてまでは分かりません。ギリシャの与党と野党がお互いの政権を巡り、より国民から支持を引き出そうとして無理なマニュフェスト(飴をばら撒いた)を打ち立てていった結果の財政破綻だったのです。
その後、リーマンショックなどが起き、世界経済は低迷しギリシャも例外ではなくなったわけです。

問題は共通の通貨であるユーロです。EU加盟国で使われる通過はユーロです。ギリシャの財政破綻がなぜ世界に影響を及ぼすのか? その秘密はユーロにあります。

単純にEU中で同じ通貨を使っていると、単位は同じなので総量というものが決まってきます。例えば全部で100あるとします。このうちのギリシャが持っているユーロが5だったとします。

ギリシャが財政破綻をする、ということは、100のうちの5がなくなるので、95ということになります。95というとまだまだあると思われるかもしれませんが、仕組みは複雑なのです。

ギリシャの全体に占める割合が少なくとも、損失という事実は100%存在します。ギリシャが放漫財政の頼りにしていたギリシャ国債(借金)と、ギリシャがもっていた各国の国債があります。

この国債は投資会社や銀行が購入しています。
もしギリシャが破綻してしまうと、その国債を買っていた投資会社や銀行は損をしてしまいます。

損をするとどうなるかというと、格付けが下がることになります。
格付けというのはランキングです。健全かどうかを表わす指標で、格付け会社が調査した上で付けています。

投資会社や銀行の格付けが下がると、それは市場から危険だと判断されてしまいます。すると、投資会社や銀行の客は離れていきます。
投資会社や銀行の客は投資会社や銀行だったりするので、格下げされた所と取引をしていた所は連鎖的に格下げされることになります。

今はネットワークで世界中で投資が行われているので、国をまたいでお互いがお互いの財産を格付けし、投資し合っています。監視していると言ってもよいです。
小さな綻びがやがて連鎖的に大きな瓦解に繋がる可能性は十分あるわけです。
早い話、金玉の握り合いです。

会社の破綻程度であればまだなんとかなるのかもしれませんが、相手は国ですから、規模が違います。ギリシャはEUの中で大きくはありませんが、そもそもEUに加盟する際にウソの経済状態を申告するなど、格付けが間違っていたのです。過去に遡り格付けをし直し、損失額を算定すると、当然のことながら、信用で積み重ねていた部分に亀裂が入ります。
信用は未来より過去への裏切りがもっとも手痛いのです。

投資をする人にとっての一番の問題は信用です。
今買ったものがちゃんと今以上に増えて帰ってくるだろうか? という不安を抱えています。信用がなくなると、その取引や資産は危険とみなされ、今以上に下がる前に売却されることになります。モタモタしていると格付けも下がり続けます。

ギリシャがデフォルトすると、ギリシャの借金はチャラになるかもしれませんが、ギリシャに投資をしていた人へのリターンはありません。
リターンがないということは危険な取引なので、関連する取引をできるだけ早く停止する必要があります。信用に赤信号が灯るわけです。

この流れは人の信用に関わってきます。
もしみんなが引いてしまえば、市場は崩壊し、自分の資産もなくなる可能性があるオールナッシング。
もしみんなが協力しあえば、市場はなんとか持ち堪え、ある程度の被害で落ち着く。

お互い腹の探りあいです。特に大資産を持っている会社が逃げたらいよいよです。大金が動くとさすがに市場で察知されます。誰にも気付かれずに危険な資産を売却できればセーフかもしれません。みんなが売却して買い手が付かない資産を安く買い叩いて市場が回復すれば、逆転スリーランホームランです。

どっち側に移動するかはシーソーゲームなのです。
そして、最後は人の感情が世界の運命を決めるのです。
そこで、人が感情的にならないように保証を担保する必要があります。

つまり、ギリシャは財政破綻(デフォルト)させないし、購入した国債もちゃんと帰ってきますよ、ということを保証し、信用してもらいます。
といっても元々お金はないので、口だけにならないように本当にお金がある、ということをアピールしなければなりません。
それがIMF(国際通貨基金)です。

後編に続く。

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