市場がグローバルになるTPPの脅威

最近話題になっているTPPですが、これはなんなのか?
別名:環太平洋経済協定、環太平洋戦略的経済連携協定、環太平洋パートナーシップ協定の略とされています。

2006年にAPEC参加国であるニュージーランド、シンガポール、チリ、ブルネイの4ヵ国が発効させた、貿易自由化を目指す経済的枠組みです。
工業製品や農産品、金融サービスなどをはじめとする、加盟国間で取引される全品目について関税を原則的に100%撤廃しようというもの。

2015年をめどに関税全廃を実現するべく協議が行われています。

これがあらましですが、で、どうなるのか?
関税を原則的に100%撤廃するわけですから、国内競争ではなく国際競争となるわけです。
「関税や規制が撤廃され、日本製品を輸出する上で大きな前進だ」というのがTPP推進派の意見ですが、いま国内で問題視されているのは、メリットも多いが、国際化されいない分野では敗北する、ということです。

それが日本の農業です。日本の農業技術は高いといわれていても、国際化されているわけではありません。
良いものは作れても、大量に作ったり、その良いものを広める力がないのです。
以前、オレンジや牛肉の自由化が行われましたが、それほど大きな問題にはなりませんでした。

しかし、今回話し合われているのは、取引される全品目です。
日本はエレクトロニクス分野では勝てるかもしれませんが、他の分野はどうなるか分からないのです。

個人にとっては、要するに一番良いものを安く手に入れられるチャンスには違いないのですが、個人の収入や雇用状況が悪化すれば意味がありませんよね。
貿易が自由化されるということは、ヒトやモノも自由に動き回るということです。
よほどアナログな手作業でもない限りは、仕事を人件費の安い外国でやらせることになるでしょう。

その仕事だってロボット分野が急成長しているので、なくなるはずです。
人件費の安い国は発展途上国ですからグローバルな視点で考えれば、仕事が増えてそれだけ近代化することになります。

しまいには協定を結んだ各国の経済格差が収斂して、平均化していくはずです。
いっときは貧困が解決するなど大きな成果が上がるでしょうが、結末は少数の企業が莫大な利益を得て、多数の人が財産を失うはずです。

なぜなら経済とは不均衡で不平等で非対称でなければうまく回らないためです。
(その役割を担っていたのが中国です)
これが自由になると強いものだけが残ります。

バリアフリーは強者にとってはスーパーフリーなのです。
交換手数料が無料で、交換回数が自由なら、交換財をより多く持っている方が必ず残ります。

その可能性をもっとも秘めているのが中国で、次いでインドでしょうね。

TPPは日本の主要産業である農業を危険に晒しても推進したい背景には、中国の世界進出を睨んでのことだと思われます。
貿易を自由化しておかないと、通貨価値に圧倒的な差が生じた時に、他国に買い叩かれてしまうためです。

アメリカは今ドルが非常に下落していますが、下落する度に政府が介入していたのでは市場の信用が下がる一方です。
貿易を自由化しておけば、圧倒的な勝者が生まれないかわりに、圧倒的な敗者も生まれにくいわけです。

というよりは、二極化が進むのを停滞させることができる、というだけで、結末は少数の企業が莫大な利益を得て、多数の人が財産を失うと思います。

先進国が今まで発展途上国を植民地だといわんばかりに暴利を貪っていたのを、発展途上国が先進国の仲間入りをするようになって喧嘩に負けそうになったら「ちょっと待ってくれ。ルールを不公平がないように変更しよう」と言ってるわけです。

日本は自民党時代から農家からの得票数が多く、民主党になった現在もTPPを推進する上で農家の反対が強いといわれています。
加えて、日本は円高でも円安でもダメという不思議な国なので、今回のTPPは大チャンスと断言する人と、大きな損失だという人に二分されているのです。

ひょっとすると、日本の技術が世界に通用すれば、この不況を脱することができるかもしれませんね。
あるいは今よりもひどい不況の始まりとなるか。

一番影響を受けるのはネットショップでしょうね。
関税が廃止されると個人輸入も楽になるので、個人が海外と取引するのが普通になるはずです。

例えば、日本で認可されていない医薬品が、海外から取り寄せ可能であれば凄いことになります。
臨床試験を待たずに新薬が買えたら、バカ売れでしょうね。

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