狙われる日本の水資源

聞いた話によると、日本の豊富な水資源が海外企業に狙われているそうです。
水資源の重要さはふんだんに水が使える日本人にはあまり馴染みが無いかもしれません。

しかし、中国の水質汚濁・水質汚染をみればわかるように、工業が盛んになると公害が大発生します。
これは工場で金属加工に大量の水が使われるためだといわれています。
中国では工業用排水をフィルタリングせず長年川に垂れ流していたので、赤く染まった不気味な色をしています。

高度経済成長期には日本でも同じような公害が発生しましたよね。
新潟水俣病もそのひとつです。重金属を摂取した魚介を人が食べると排出されるずに体内に残り続け、神経系に長年にわたりダメージを与え続けます。

発展途上国は工業生産でも成長を遂げたい。しかし、工業が盛んになると公害が発生する、また工業排水、工業排出ガスにフィルタリングをするとコストが高くなり、他国との競争に負けてしまう。そういったジレンマがあります。

一方、ひととおり公害を体験した先進国では国内で無茶なことはできないので、海外にいって水をふんだんに使い公害と罰金を回避しようと目論んでいます。
特に半導体製造には綺麗な水が欠かせないと言われています。

問題となっているのは日本の地方です。田舎の手入れもされなくなった山々を外資系企業が買い取っているらしい、という噂が最近出ています。
不景気なこの時代、山を持っていても仕方が無いと考えている地主さんにしてみれば、願ったりかもしれませんね。かつては日本が海外に生産拠点を持っていましたが、将来的には豊富な水資源を狙って、日本の田舎が生産拠点となる日も近いかも?

ところで、日本の工業排水は実験的に海外に輸出される計画が出ています。
水のリサイクルですね。水が石油と同じように高く売れるような日も来るかもしれませんよ。
株式投資をしている人は、水に関連する企業に今後注目です。

処理下水、豪へ輸出実験 千葉・川崎から水不足の鉱山へ 2010年7月6日

千葉市、川崎市の下水を高度処理してオーストラリアに輸出する実験が今秋にも始まる。下水はほとんどが処理後、川や海に捨てられていた。
これを豪州から の鉄鉱石を運び終えた空の大型船に積み込み、雨が少なく水不足に悩む豪州の鉱業会社に供給する。
成功すれば、日本の「水資源」を輸出する初の事例になる。

5日、国土交通省などが始める実験に、ウェスタンオーストラリア州政府が協力することで合意した。売却候補地は、リオ・ティントなど世界的な鉱業会社が進出している豪州西部の鉄鉱石産地だ。

鉱業会社は、鉄鉱石を洗ったり、粉じんが舞い上がらないようにしたりするために大量の水を使うが、豪州は全土が水不足。国交省によると、鉱業会社がいま使っているのは、海水を飲料水レベルまで淡水化した水で、1トン当たり4~5豪ドル(300~400円)もするという。

今回の試みは、豪州のような水需要国と、水余りの日本をビジネスベースで結ぼうとの発想で始まった。

日本国内で出る下水は処理済みベースで年間約140億トン。

その約2割は公園の水遊び場でも使えるレベルまで高度に処理しているが、下水の再利用率は2007年度で1.5%に過ぎず、ほとんどが海や川に捨てられている。

日立プラントテクノロジーなどの企業が参加し、東京湾で水を船に積み込み、豪州に運ぶ。ただ、水を「荷物」として輸出すると、輸送コストが高く、ビジネスとしては成り立たない。そこで、鉄鉱石を豪州から運んできた船の帰り便を活用することにした。

日本で鉄鉱石を降ろした空船は通常、船体を安定させるため、「バラスト水」と呼ばれる海水を船内のタンクに入れて帰る。その海水の代わりに下水処理水を注入する。

実験は、まずドラム缶で水を豪州に運び、輸送後の水質の変化を調べる。水質が大きく変わってしまうと、現地で追加の水処理が必要になるためだ。さらに、 現地で港から鉱山に水を運ぶ方法やコストも調べるほか、改造した船に処理水を注入して運ぶ実験を行い、早ければ12年度の事業化を目指すという。

飲料水や 農業用水には転用しない。

「水資源」ビジネスが注目される背景に、世界的な「水の偏在」がある。豪州の国土の8割は年間降水量が600ミリ未満と、東京の3分の1以下。地球温暖 化の影響もあって渇水は各地で深刻化しているとされる。

中東なども水不足が常態化しており、経済産業省は、水ビジネスの市場規模は15年後に現在の2.4 倍に拡大すると試算している。

今回の実験で課題が克服されれば日本が「資源輸出国」になる可能性がある。(鳴澤大)

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