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ステマ記事と優良誤認と広告ブロックと詐欺がデフォルトになりつつあるネット 後編

前回はステマ記事(記事広告)がまっとうな記事を駆逐しつつあって、日本で最もアクセスを稼ぐサイトのひとつであるYahoo! Japanが認めちゃってるよ、という話をしました。

そもそもなぜステマ記事(記事広告)なのかというと、情報を担保するものがネットには一つもないからです。
例えば情報Aに関する情報をネットで検索して、情報Bと情報Cが得られたとします。
情報Bは優良で、情報Cは最悪だったとしましょう。どっちかが正しいかは分かりません。

さらに情報Bと情報Cが正しいかどうかをネットで検索すると情報Dと情報Eが出てきたとします。
ここで情報Dと情報Eが同じことを指していればいいのですが、そうとも限りません。
検索の仕方によっても変わります。また明らかな間違いやデタラメもあります。
いい情報を探そうと思えばいい情報だけが集まるし、悪い情報だけを集めようとすれば悪い情報だけが集まります。
ネット検索は決して客観を与えてくれないのです。あくまでも自分の主観を拡大し増幅させるだけなので、自分の主張を裏付けさせるだけで客観的事実はひとつも得られないのです。
ネットの情報というのはネットに発信した人物のウラでも取れないかぎりは信用が担保されないのです。

ではウラが取れるか? 取るに値するか? ということを問うとコストの面で割にあわないでしょう。
そうなると、結局のところ情報のボリューム、発信者のプロフィール、発信された場で判断されることになります。

新聞がオルドメディアでありながらある一定の信用を勝ち得ているのは、新聞社はプロであり、間違いは許されず、またその間違いも小さいだろう、という期待からです。
これってネットから得られるものではなく、我々がネット以前から持っていた新聞へのイメージを引きずっているのです。
(今の若者は新聞なんて読まないでしょうから、いずれこの神通力もなくなるでしょう)

それを利用したのがステマ記事(記事広告)です。
100件のまともな記事の中に10件ほどお金をもらって広告主の意に沿った記事を書けば、誰もそれが広告だとは気が付きません。
それを長らくどの新聞社も行ってきていたんでしょう。

ネット広告が力を持ち始めて、オルドメディアの新聞広告や雑誌広告に陰りが見え始めると、今まではこっそりとやっていたステマ記事を代体的にやるようになって表沙汰になったというわけです。

2015年9月24日のニュースには新聞各社の部数が下げ止まらないと報じられています。

gn-20150924-12

▼前年比マイナス3.9%…新聞業の売上高動向(2015年)(最新)

各社ほぼ死に体となっており、おそらくこのままでは購読している高齢者層が亡くなるにつれて部数は減少し、やがて廃刊になる新聞社も出てくるでしょう。
特に広告収入が落ち込んでいることが分かります。これはおそらくはネット系広告に広告の主戦場が移ったということを意味します。
あのプレイメイトで有名な米プレイボーイ誌なんかはポルノ掲載をやめると宣言しています。

▼米プレイボーイがヌード写真掲載を終了、ネットがあればヌード雑誌は時代遅れ

そう言われればそうだけどさ。大きな文化を築いたある時代が、今また1つ終ろうとしています。プレイボーイ誌が、ヌード写真掲載を廃止すると発表しました。理由は、ポルノやヌードはネットに十

理由はネットで見られるし、若者は見ないからだとか。すごい話ですね。もはや裸は無料であり、見放題でお金を出す価値はなくなっているのです。

ではネット系広告の良い所はなにかというと、なんでもやりたい放題だということです。
ネットは日本独自の公共の電波、公共の媒体という概念は通用しません。
例えば、TVであれば公共の電波を利用していますから、特定の企業・団体・個人の私物化は許されていません。
しかし、ネットはあくまでも自分から情報にアクセスするという姿勢であるので、嫌なら見るなと来るなが通用するんですね。

サイトに広告を出そうが出すまいが、それはサイトオーナーの自由なのです。
自分の部屋に好きな絵を飾ることに何の問題もないことと一緒です。
入り口はオープンですが、不満があるなら他所へ行けばいいだけのことなのです。

そんなわけで、ネットにはコンテンツなのか広告なのか判別もつかないものから、明らかに広告のものまで玉石混交で広告が存在しています。というより、基本無料なので広告またはサービスに課金をしてもらわないとサービスが成り立たないところまで来ています。
特にひどいのはユーザーインターフェースにまで影響する広告です。
ユーザーインターフェースというのはホームボタンとか、戻るボタンとか、ユーザーが操作するための領域です。
ここに誤クリックを狙った広告が表示されるようになると、非常に厄介です。

記事の続きを読もうと思ったら間違ってタップしてしまった、という経験は誰にでもあると思います。これも「優良誤認」のひとつです。親切なフリして実は広告を踏ませるトラップだったりして、もはや広告であること自体がステルスとなっていて、必要なのは広告を踏んだという事実(Cookie)だけなんですね。

それにアンチを憶えた人達が広告ブロックを使い始めました。
広告ブロックはブラウザの拡張機能を利用していたり、ウイルス駆除ソフトについていたりしますが、要するにメインコンテンツ以外はブラウザ上に表示しない技術です。

それが最近スマホ版でも公開されるや結構な人気になったんですね。
アップルのAppストアではcrystalがランキング一位になっていました。

▼crystal

「Crystal Adblock – サファリの広告を削除」のレビューをチェック、カスタマー評価を比較、スクリーンショットを確認、詳細情報を入手。Crystal Adblock –

ところがこのcrystal君なんですが、ブロックされた広告主側にも便宜を図っています。
つまり、ユーザーにブロックされたくなかったらお金を払ってね。そしたら、君の広告はブロックしないホワイトリストに入れてあげるよ、というわけです。

もうこうなるとウイルスなのかワクチンなのかさっぱりわけワカメですね。
crystalはアレですが、おそらく、無料で広告をブロックするアプリもどんどん出てくると思います。

で、対する広告主側はどうかというと、広告ブロックブロックというスクリプトが流行っています。

▼ios9の広告ブロック機能を有効化している人をブロックする方法

ios9の広告ブロック機能を有効化している人をブロックする方法

スクリプトをサイトにコピペするだけで広告ブロックブロックできてしまいます。
広告ブロックしている人をブロックしちゃうわけです。
ネットを回っていると特に動画サイトで広告ブロックブロックしている所が増えてきました。
トラフィックだけ増大して、肝心の広告が見られないんじゃサーバー代が掛って仕方ないですからね。納得できます。

広告をブロックして消してしまう、という流れは基本的にコンテンツは無料であって欲しい、という願いです。
これをもっと分かりやすく表現すると「し放題がいい」ということになります。

最近流行りのマーケティングキーワードは「し放題」です。

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