そして、第三次世界大戦へ…

前回は、デフレ脱却の必要性とその条件、その問題点について簡単に説明しました。
日本がデフレを脱却するためには、「蛇口のある小屋の鍵とそれを守る門番」が必要と表現しました。
最終的には、日銀法と憲法九条の改正です。
ではこれが実現できるのかというと、おそらくは難しいでしょう。

今年に入ってすぐに円安傾向がみられましたが、まだまだ日本は円高です。
さらに円安に誘導するためには、安倍政権の支持率が高い間に思い切ったことをしなければいけません。
思い切ったことをする、ということは円安誘導に繋がるので、海外からの反発は強くなります。
これを抑えるためには、日本の発言力の高さです。
発言力を高くするためには、北朝鮮のように日本が独自の軍事力を持つ必要があります。

ところが、知っての通り日本にはアメリカ軍がいて、同盟を結んでいます。
第二次大戦で敗けた日本は、植民地化は免れたものの依然として米軍の支配下にあります。 自衛隊は戦えず、武器は米軍から購入しています。
自衛隊は防衛以外の戦闘はできず米軍頼りです。さらに隣国に目を向ければ、中国がおり尖閣を狙っています。

このような状況では、思い切った政策をしても海外から反発が強まるだけで、すぐに潰されてしまいます。
高度経済成長期バブルでアメリカ経済を荒廃させ、エコノミックアニマルといわれた日本は、1985年のプラザ合意により事実上の経済制裁を受けています。
アメリカ人によって日本車やテレビが破壊されたりする映像を見たことがある人もいると思います。
貿易摩擦、ジャパン・バッシングという言葉が流行りました。

日本が戦後まさかの復興と急成長を果たし、お家芸だったアメリカの自動車産業を倒産に追い込むなど、あまりに破竹の勢いを見せたので去勢されたわけです。

土曜日が休みになる週休二日制の導入や、アフターファイブは家族と過ごそう、働き過ぎは格好悪い、というイメージはプラザ合意により、日本の労働力を削ぐために植え付けられました。

「日本よ、ちょっと休みたまえ」と肩を叩かれたわけです。

このような過去から、タダで済むわけがない、というわけです。
他にも、中国の尖閣への領海・領空侵犯が懸念されており、今のままだと米軍に頼るしかありません。
あるいは、憲法を改正して自衛隊を国防軍に変えて反撃、なんていうことがあれば中国との戦争も有り得ます。
軍事力=発言力という意味では八方塞がりなのです。

ではどうやって日本を立て直していくのでしょうか?
2013年1月28日に行われた安倍首相の所信表明演説にはこのようにあります。

▼安倍首相 所信表明演説で「」14回
http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp3-20130129-1078061.html

安倍氏は「国家国民のために再びわが身をささげんとする決意の源は、深い憂国の念だ」とした上で、「日本の未来をおびやかす数々の危機を、何としても突破しないといけない」と強調。

芦田均元首相の言葉「どうなるだろうかと他人に問い掛けるのではなく、我々自身の手で運命を開拓するほかに道はない」を引用し、「最大の危機は、日本人が自信を失ったことにある。
自らの力で成長しようという気概を失えば、明るい将来は切り開けない。
強い日本をつくるのは私たち自身です」と呼び掛けた。

(引用終了)

興味深いのは、所信表明演説で「危機」という言葉が14回使われたことです。日本には数々の危機が待ち構えており、しかもその最大の危機は日本人が自信を失ったことにある、と述べています。

首相がここまで日本が危機的状況にある、と明言するのは珍しいことです。
日本国民は景気が悪いこと以外は普段どおりの日本があると信じているので大きなギャップです。
衆議院選挙の投票率の低さからも窺えます。
恐らく国民が知らされていない危機を政府ははっきりと認識しているのでしょう。

ところが、所信表明演説ではその危機がなんなのか? それを回避するためにはどうすればいいのか? といった具体案は述べられていませんでした。
これは海外メディアなどに引用されることを見越し、安全運転を意識したものだと思います。

しかし、実際に危機を回避する解決策や具体案がない場合、今夏の参議院選挙までのパフォーマンスということになります。
参議院選挙後は当然のことながらアベノミクスは失墜し、株価も下がるだろうと思います。

「最大の危機は、日本人が自信を失ったことにある」という言葉から紐解けば、自信を失った最大の要因は太平洋戦争で敗けたことでしょう。
アメリカの傀儡国家となったことが日本人の自信喪失に繋がっていると考えられます。

考えられるシナリオとしては、参議院選挙で自民党が連立をするなりして過半数以上を獲得し、満場一致で自衛隊を国防軍へ改憲する準備を整えることです。再度、軍国化を目指すわけです。
アメリカには逆らえませんが、脅威となっている中国の牽制にはなります。
中国を仮想敵とすることでナショナリズムを煽る=支持率を維持するのが狙いでしょう。
この仕組みが維持率と国民高揚に繋がることは、、韓国、北朝鮮で実証済みです。

アメリカは日本が独自の軍事力を持つことを歓迎しませんが、財政危機ということもあり、中国の海洋覇権を抑えるという意味でも、日本は要石として使えると考えています。
日本は足枷を少し緩めてもらう見返りとして、環太平洋戦略的経済連携協定()に言い値で参加させられる可能性があります。
TPPは中国を排除するためのブロック経済網です。

TPPが締結されると中国経済は完全に停滞を約束されますから、その前に邪魔をしたいと考えています。
同時にTPP締結後は、この経済網が軍事力以上の威力を発揮することになります。
お金を掛けずに契約だけで操縦できることになります。
各国には自国の成長戦略を見据えて、様々な思惑があるのです。

最悪のシナリオとしては、中東を震源とした第三次世界大戦も考えられます。なぜ第三次世界大戦かというと、世界中に出回っているお金が実体経済をはるかに上回ってしまったからです。
利子を払うだけでいっこうに借金が減らないくらい架空のお金が出回っています。
アメリカは先日の財政の崖を回避しましたが、先延ばしをしたに過ぎず2月にまた山場を迎えます。

▼米「財政の崖」回避でも禍根 2ヵ月後の交渉はまたも難航か

大統領選後の米国で懸念されていた、いわゆる“財政の崖”が1月1日、期限ギリギリで回避された。財政の崖とは、財政再建を進めるための「実質増税」と「歳出削減」が、年末年始に集中するため

戦争をすれば多大な損失を被りますが、想定される第三次世界大戦では「借金をゼロにする」というマイナスの力学が働きます。
既に借金が膨らんでにっちもさっちもいかないのだから、この際戦争をしてチャラにしてしまおう、というわけです。
あわよくば戦勝国となって、賠償金をいただこうというわけです。

ユーロもアメリカも借金まみれです。
今度リーマン・ショックのようなことが起これば、世界中で大暴動が起きます。その前に人工的に雪崩を起こす、ということは考えられないことではありません。

続く。

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