泥沼の円高ドル安 高まる経済不安

以前、で「デフォルトに向かうアメリカ 8月2日世界は震撼する」と紹介しましたが、結果的にデフォルトは行われませでしたが、米国債の格下げがお壊れるという事態になりました。円高ドル安も依然続いており、週明けの今日(日本はお盆ですが)、その動向が注目されています。

ミリオンハイスクールの生徒にもFXや株式投資をされている方が何人かいらっしゃいますよね。ここ何日かは眠れない日々を過ごしているのではないでしょうか?

介入で大きな利益を得た人もいるようですが、残念ながらドル安で追証に泣いた人もいるようです。

さて、ここであまり世界経済であまり興味がない人にも今後のことを分かりやすく説明したいと思います。

■アメリカの格下げは一番がなくなること 一番を探さなければならないこと

なぜアメリカ国債が格下げされるとマズイのでしょうか?

アメリカ国債はかつてトリプルAで世界最高位であり、アメリカが破綻するわけがない=持ってても安心 という図式だったのです。

お金というのは絶対的な価値ではなく、相対的であり流動的です。

少額ならたいしたことはないのですが、巨額となるとレートが少し変わっただけで数百億円の損失となります。

例えば、円高が1円進むと日本の代表ともいえるトヨタの輸出益は数百億円の赤字となります。こういった赤字は製品を改良して得た利益を一瞬にして奪い去る危険なものなのです。血の滲むような努力をして開発に成功しても、製品に関係のないところで大きな損失を被るというのはバカバカしいですよね。

そんなわけで、資金というのは保有している間に上下しないことが望ましいと言えます。その上下しない安心の品質は格付けで評価されており、アメリカ国債は今まで最高品位だったわけです。

つまり、アメリカドルや米国債を持っていれば安心ということになっていました。

しかし、そのアメリカが財政破綻するかもしれない、ということになり、世界中の人がアメリカに預けていた資産をどうするかパニックになった、というのが今世界で起きていることなのです。

アメリカはデフォルトというバンザイはしませんでしたが、抱えている財政赤字について具体的な解決策を示せなかったことから、問題がただ先送りされただけと評価され、それが米国債の評価引き下げに繋がったといわれています。

そもそも米国債の評価は低かったのですが、アメリカの圧力によってずっとトリプルAを維持していたことなので、嘘がようやく露呈したと言えます。往生際の悪いアメリカは格付け会社「スタンダード&プアーズ(S&P社)」には計算ミスがあると指摘し、調査を決定しました。

(S&P社は8日に住宅公社2社に対してもダブルAに下げた。)

もちろんこれはほぼ言いがかりで、時間稼ぎです。

実際に正しい計算すればもっと前に評価が下がっていたことが発覚するだけで政治的なポーズに違いありません。

■私たちの生活にはどう影響するの?

さて、ここまで読んでもあまり自分には関係がないなーと思うかもしれません。

実際日本で具体的な影響が出ていることは少ないでしょう。

しかし、このままの状況が続くとマズイことになります。

今回はそれを紹介します。

まず、円高が止まらないというのは、円の価値が高くなっていると思われがちですが、実はそうではなくドルが安くなっているということでしかないので、そこを勘違いしないで下さい。日本は経済的に不安視されていることには変わりがないのですが、一時的な換金通貨として利用されているだけなのです。

米ドルがまずいけれど、他に換金する通貨がないし、仕方なく円を買っているだけなのです。なので、いつ円高が終わるか分からないのです。

国力が評価されての円高ではないことがポイントです。

それで、円高が進むと円が強いわけですから、海外から製品を安く買うことができるようになります。海外旅行や輸入盤のCDなんかが安くなります。

しかし、いいことばかりではありません。それは海外の製品が大量に国内に浸透することを意味するからです。

国内生産ではなく、海外生産のものが大量に輸入されれば、国内生産は弱体化します。当然、関係者は商品が売れずに路頭に迷うことになります。

これを製品ではなく人件費で考えるとさらにまずくて、日本人を雇うよりも海外の労働者を雇う方が安いとなれば、国内の雇用は激減し、工場はどんどん海外に移転することになります。ここでまた関係者は大量に解雇されて路頭に迷うことになります。

怖いのは円高ブームがしばらく続いたあとに、急に終わってしまうと、国内生産力が落ちている可能性があるので、国力がガタガタになることです。

もし反転して円安の状態が続くと、今度は国内生産の方が安くなるわけですが、設備投資は海外に行っているので生産力が落ちているのです。

日本は技術立国なので自家生産で外国に負けてしまうと、巻き返しが容易ではないのです。

政府が円高の介入に踏み切ったのも、主要企業の海外流出を防ぐためです。

多くの国民が日本を代表する主要企業に何らかの関連性を持っているため、たった数社の海外流出は、日本国内全体のパニックの引き金になりかねないのです。

■ネットは疑心暗鬼を加速させる

しかし、残念なことに介入は日本だけで行われ、協調介入が行われなかったため円高に歯止めがかけられず焼け石に水となりました。

歯止めが掛からずパニックが拡大することを恐慌と呼びます。

投資家が疑心暗鬼となり、人が人の心を読み、その読みを読む人がいて、際限なく深読みが続く一種のゲーム理論な展開となるのが恐慌です。

今まで世界恐慌が何度もあったのですが、過去と現代に大きな違いがあります。

それはなにかというと、インターネットです。

ツイッターなどで一人のユーザーの行動がドミノ倒しように、一瞬のうちに全体に波及する現象が起きています。

例えば、有名な投資家の何気ない弱気な発言などは一気に拡散し、そして改変され、ウイルスのように散らばります。

過去では例えば悪い噂が活字となるのは翌日でした。

市場が開く何時間かの間に冷静になることもできたのです。

しかし、今はリアルタイムで、なおかつ自動売買のプログラムが客観的に市況を判断して動くシステムもあります。

躊躇する間もなく一瞬で変動するのです。

ネットの繋がったグローバルな社会で、投資家が逃げるといったら、アメリカからアフリカの奥地まで光速で逃走します。

世界が終わるのはほんの一瞬で、あまりに瞬間過ぎて、リアルがその状況に追いつくのは数日後になるでしょう。

とはいえ、この不安定な状況こそ勝機と考える人がいるのも事実で、激しい相場変動と介入を予測して、莫大な利鞘を稼ごうとする人たちもいます。

また日本のように金融リテラシーが低いお陰で、投資と無関係であるがためにあまり煽りを受けないこともあります。

意外とこの局面においては「無知と無関心」は最強かもしれませんね。

投資をしている塾生は十分気を付けてください。

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