再び円高に向かう日本 二重政府問題

介入も虚しく再び円高に向かっています。
政府が為替介入をしないことをいいことに、じわじわと円高が進んでいます。
前回の「仕組まれた欧州危機」でも書きましたが、円高は謎の投機筋によって行われている壮大なる釣りです。

もともと円は日本経済が低迷しているため、それほど高い評価にはなりません。
ギリシャやイタリアの首相のリーダーシップがないことが、国債の下落に繋がっているぐらいなのに、ましては日本は首相がコロコロと変わり、復興についての案がなかなかまとまらない不安材料が多々ある国です。

なのに円が買われている、というのはおかしな話ですよね。
円高・ドル安になると得をする人達がいる、ということです。
これを安住財務大臣は「投機筋」と呼んでいますが、かれらの暴挙にいかんともしがたい状況なのです。

前回の介入はとりあえず「本気である」ということを見せたパフォーマンス
ですが、やってはみたものの効果は続かずアメリカには怒られる始末です。
怒られるいわれもないのですが…。
アメリカは自国の通貨安を狙っているので、日本には素直にアメリカのATMになって欲しいわけです。

さて、今後の円高事情ですが、介入をしなければさらに上昇し75円はあっという間に見えてくるでしょう。
日銀は今後の介入については「ステルス」で行くようです。
「介入したよー」とは言わずに、ポーカーフェイスで行く、ということです。
これが投機筋の恐怖心を煽ることになります。

というのも、どうも介入の情報が漏れているようなのです。
衆議院議員のパソコンがウイルスに感染し、全議員のIDとパスワードが流出したというニュースは記憶に新しいかと思いますが、日本政府の動向がアメリカに筒抜けである可能性は高いのです。

自民党時代にアメリカとどのような蜜月があったのかは知りませんが、民主党になってからは、このようなタチの悪い付き合いをやめたいのでしょう。
アメリカ軍の普天間移設問題といい、アメリカは民主党にはいい顔をしていません。

結局、これは想像なのですが、円高はアメリカにお金を合法的に送金するための手段なのです。どうしてお金をアメリカに渡さなければならないかというと米中関係の悪化にあります。

世界勢力はいまや大西洋から太平洋へと移ってきており、中国の台頭を抑えるには、アメリカは軍事力を維持し、そのための高い水準の経済を維持しなければならないからです。日本はその拠点なのです。

ところが資本主義に陰りが見えてきて、さらに世界人口が今後100億人が見込まれている中で、アメリカに成長の余白はないのです。
では、アメリカは衰退し太平洋から軍を撤退させたらどうなるか?
去年の尖閣諸島沖の問題のようなことが起きます。
中国は日本を含む太平洋広域を領土にする国家戦略を考えており、日本のバックにいるアメリカが怖くて仕方がないのです。

日本は日本で経済復興、経済成長をしなければなりません。
中国とも今後ビジネスパートナーとしていい関係を維持したいと考えています。日本はどっちつかずの状態で、なんとか米中関係を繋ぐバネの役割に収まりたいところなのですが、「本当のこと」が国民には伝えられないため泥沼化しているわけです。アメリカの傀儡と化した二重政府状態なのです。

例えば、今後台頭するだろう中国を牽制するために、日本の軍事力を強化したり、アメリカに軍事支援をすれば、中国はいい顔をしないはずです。
またアメリカも日本に軍を駐留し増強したり、核を持ち込むのは中国を刺激することになるので避けたいところです。

日本は独自の政策を実行したくても、今後の日本の人口激減を目前にして、米中関係を考慮しなければならず、非常に舵取りが複雑になっています。
日本のTPP参加表明は、とりあえずどうなるかは分からないけれど、アメリカを筆頭とする太平洋地域覇権主義に賛同する、ということを意味します。

今盛んにTPPや円高のデメリットが取り沙汰されていますが、本当のところは人口激減で経済低迷が予測されている日本が、米中とどう付き合っていくか?
というのがキモなのです。なぜなら国がなくなれば、メリットもデメリットもないからです。

しかし、これは米中を刺激することになるため、あまり公にはなっていません。
その代わり、今月6日に四時間の追跡の末逮捕した、中国漁船の逮捕劇がパフォーマンスとしてあります。

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