ギリシャ危機は続くよどこまでも

ギリシャ危機はまだ続いています。

放漫財政の末、ついに国の借金を返せなくなったギリシャは、計画的デフォルトという緩やかな破綻を宣告されました。

おさらいですが、なぜ緩やかな破綻なのかというと、それはユーロ圏で共通して使われる通貨であるユーロに関連があります。

ユーロ圏はヨーロッパの国々が加盟する商店街のようなものです。

ユーロはその商店街が共通して使える商品券です。

つまり、ギリシャが破綻をする=お金が返せない、ということは、ギリシャのみならず共通してユーロを使っているユーロ圏の問題でもあるのです。

しかし、そもそも破綻をする=返すお金がない、ということですから、どうして返せないほどのお金を借りることができたのでしょうか?

その秘密は、前借り利子付き後払いという融資にあります。

お金がなくても先にお金を借りて、そのお金を元にビジネスをして儲けて、貸してくれた人には利子を付けて返済する、という仕組みがあるのです。

もし返せない場合は、担保という代替品を差し押さえられます。

売掛けとかクレジットカード決済というのも似たようなものです。

国が融資を募るのが国債です。国はそう簡単には倒産しないので信用度があります。ギリシャはギリシャ国債を発行し、諸外国に買ってもらっていました。それが返せなくなったというわけです。

ではどうして返せなくなったのかというと、ギリシャがそもそもユーロ加入時に経済力を詐称していたことと、ギリシャの放漫財政と、そして国民の浪費気質に原因があるとされています。

ギリシャは産業が弱く、主な産業は観光関連だと言われています。

そのため、4割もの人がなんらかの公務員として雇われています。

公務員は辞めても年金として定年前の96%を支給されるなどめちゃくちゃです。自営業主の脱税と官僚の天下りは日常茶飯事です。

倒産解雇の心配のない公務員だらけなので仕事をまじめにする人はいません。

飲んで食べておしゃれをして遊ぶことが好きで、仕事は半日程度しかしない人が多いのです。

どうしてこんなにもめちゃくちゃなのかというと、政治家が人気を得たいがためと言われています。ポピュリズム(迎合主義)というのですが、政党を維持したいがために出来もしないマニュフェストを掲げて得票数を増やして行った結果、このような放漫財政となったと言われています。

日本でも似たようなことが起きていますよね。

「我党は政権与党よりもより良い生活を約束をする」というような人気の取り合いをしていった結果、官官パラダイスになっていったのです。

ギリシャは財政力を詐称してユーロ圏に加盟したことで、実体以上の信用度を得ることができました。その信用度のお陰で、より多くの国債を発行しお金を集め、政治家は国内で人気獲得のためのばら撒きをしたのです。

しかし、それも束の間。限界が来たのです。実は返すお金のアテはありません、ということがバレてしまったのです。

国に返すお金がない、ということになるとどうなるのか?

国の資産は凍結され、国際通貨基金(IMF)などの監査が入ります。

売れる資産は売却し、残っている負債はなんとか減免してもらえるように交渉します。その後、国が健全な財政になるようにプランを提案し、監視のもと財政の建て直しを計ることになります。これは非常に屈辱的な措置です。

ところが、問題は単純ではありません。

ギリシャが破綻すると、ギリシャ国債の価値もなくなります。

つまり、ギリシャ国債を持っている国は、損をすることになります。

ギリシャ国債がまるまるパーになると、その国の資産は減少します。

減少するということは、信用度が低くなるということです。

信用度が低くなると、信用格付け会社からの評価は下がります。

格付け評価が下がるとその国が発行している国債の価値も下がります。

すると、その国が発行している国債を買った国が発行している国債も連動して下がってしまうわけです。この連動は短期間のうちに一気に発生し、ユーロという通貨を共通している国で発生すると、ユーロ自体の価値が下がり、ユーロを持っているユーロ以外の国々の資産も減少し、格付けが次々と下がるという恐ろしい悪循環になるのです。

単にギリシャ一国の問題ではないのがミソです。

グローバル社会だからこそ起きる恐ろしい世界同時恐慌の側面を持っているのです。

そんなわけで、ギリシャを破綻(デフォルト)させるわけにはいきません。

去年の暮れからずっとEU首脳が救済策について話し合っています。

一度は、ギリシャは計画的に破綻させる、という案に落ち着きました。

全部の借金を返せとは言わないから、とりあえずは半分は返せというような話し合いなりました。

どうしてかというと、ギリシャが完全に破綻すると借金の返済はできなくなるからです。0%より50%返ってくるならマシということでしょう。

もちろん当の問題を起こしたギリシャは緊縮政策という超節税節約財政を約束させられました。

ギリシャが緊縮政策を実施するならば、欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)は1300億ユーロを支援するとしています。

では、ギリシャが緊縮政策を受け入れたかというと、そうではありません。

政治家がこれまでのポピュリズムを長くやり過ぎたせいか、国民が言うことを聞いてくれなくなったのです。

例えばめちゃくちゃ多かった公務員を2012年中に1万5000人削減することに国民が猛反発し、ゼネラルストライキが起きています。

このまま行くと無政府状態に陥ると懸念されています。

もうワケが分かりません。ユーロでもっとも成功しているドイツは働かないギリシャ国民のために最も多くの血税を投入しなければなりません。

感謝はされることはあっても、反対などはもっての他です。

しかし、ギリシャ国民はドイツはひどい、メルケル首相は鬼だと本気で思っているのです。盗っ人猛々しいとはこのことかもしれません。

では、ギリシャ国民のストライキが狙うものはなんなのか?

3月にギリシャ国債の償還(返済)が予定されています。

このままギリシャ全土でストライキを起こし、国が機能しなくなれば緊縮政策は実行されず、つまりは1300億ユーロを支援が受けられなくなります。

すると、ギリシャは緩やかな破綻ではなく、本当の破綻に陥りユーロを離脱せざるを得ません。では、どうしてわざわざ支援策を蹴るのか?

それは厳しい緊縮政策を何年も強いられるくらいならば、ユーロを離脱して元の生活に戻った方がマシだと考えているからです。

つまり、デフォルトしてしまえば借金も帳消しになると考えているのです。

公務員生活の給与をアテにしていた国民の浪費癖はそう簡単には抜けません。

計画的デフォルトを実施されると、そもそも産業が弱いギリシャでは再就職が難しく、さらに収入も減った状態で家のローンなど返済をすることを考えれば徳政令を求めるのは仕方ないかもしれません。年金もありません。老後はお先真っ暗です。

でもこれでは困ります。

ギリシャが支援策を受け入れず破綻を選択すると、前述した連鎖的な国債の格下げが発生し、世界経済危機が訪れる可能性が高くなるためです。

つまり、ギリシャは国民総出で賭けに出ているのです。

ストライキを起こすことで、世界経済危機を起こさない代わりに、緊縮政策を緩和し1300億ユーロといわずもっと多くの資金をタダ同然で援助せよ、と言ってるのとなんら変わらないのです。

これがどれだけ国際世論を刺激しているかは想像に難くありません。

ギリシャ危機、ユーロ危機、世界経済危機と連鎖的に飛び火する恐れがある中で、さらにヘッジファンドと世界的格付け会社の暗躍があります。

世界的な危機でさえマネーゲームに利用されています。

日本も無傷では済みません。

因みに、3月20日のギリシャ国債償還日までに債務交換に伴う複雑な手続きを完了するためには、2月15日までにギリシャが第2次支援策に合意し、ユーロ圏、欧州中央銀行(ECB)およびIMFが承認する必要があるとしています。

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