アマゾンがモール化して楽天を討ち取る日

Tech Crunchの2012年11月21日の記事にこんなものがありました。
Amazonがショッピングモール化する、というものです。

クリスマス商戦を目前に控えて、Amazonが企業向けサービスで攻勢を強めている。Amazonが新たに発表したAmazon PagesはあらゆるサードパーティーがAmazonに登録されているどんなプロダクトでも販売できるオンライン通販ページだ。

AmazonはこのAmazon Pagesについてまだ大々的な宣伝をしていないが、ブランドはAmazon.comの中に独自のデスティネーション・ページを設定することができる。そのURLはwww.amazon.com/ブランド名 となる。大きなロゴや写真、ソーシャル・メディアへのリンクなどダイナミックなページのデザインがテンプレートを利用して誰でもできる。

AmazonとFacebookに簡単にメッセージを発信できるAmazon Postsサービスも提供される。またAmazon Analyticsでは売上や広告の効果などを分析、管理できる。

今のところAnalyticsは初歩的な分析にとどまっているが、将来Amazonがこの分析を強力なものにしていこうとすればいくらでもそうできる。SalesforceやOracleと正面から激突するような高度なサービスに発展する可能性も十分にある。

▼Amazon、企業向けにAmazon Pagesを提供開始―独自URL、ソーシャルメディアマーケティングも可能に
http://goo.gl/SBTDD

Amazon Pagesというサービスで、ユーザーが自由にページを作りカスタマイズできるとあります。
テンプレートもありますが、カスタマイズ性も高いようです。
正にAmazonのショッピングモール化ですね。
詳しいことはまだ未定ですが、日本にはショッピングモールの老舗である楽天市場があります。

楽天市場と言えばモールの出店料が高く、さらに激戦化したせいで、売上に比例して楽天サーチワード広告に掛かる広告費が上がっていく、というネットのレッドオーシャン(競争の激しい既存市場)となっています。

楽天市場よりも出店料や利用料、ロイヤリティなどが安ければ、Amazon Pagesに流れる人は多いでしょう。
楽天市場にとっては戦々恐々に違いありません。

Amazon Pagesと楽天市場の大きな違いは何かというと、アマゾンが予定しているサービスが横断的であることに対して、楽天市場は閉鎖的である、ということです。
楽天市場は元々はネットスペースをレンタルする、という主旨だったため、モール出店者とその顧客の外部流出を断固として否定していました。

独自ショップには誘導できず、メルマガ会員のデータも退店時に移行できません。
すると、大きなショップほど楽天依存が高くなります。
またショップの管理は基本的にはショップオーナーに任せていたため、決済方法や手数料などもバラバラです。
こういった閉鎖的なモールスタイルは古くなりつつあります。

Amazon Pagesでは多分ですが、ソーシャルサービスと連携と謳っているので、例えばアマゾンで出店して、顧客を独自ショップに誘導ということも可能だと思われます。
アマゾンはモールの賃料で儲けようというわけではなく、個人情報の収集で儲けようとしていると思われます。

既にショッピングサイトでは送料を無料化したことで、利用者が爆発的に増え大成功を収めています。
あとはさらにアマゾンで売るための個人情報が必要となります。
ただし、個人情報は勝手に利用することはできません。そこで、Amazon Pagesです。

Amazon Pagesを利用してもらうことで、その店を利用する個人情報のデータは、ショップオーナーのものであると同時にアマゾンのものとなります。
つまり、そのショップが継続してアマゾンに在籍している限りは、アマゾンは個人情報を持ち続けられるというわけです。

そのため、アマゾンが楽天市場のように苛烈な課税によって、ショップオーナーを苦しめる必要はないのです。どうぞどうぞ好きなだけいて下さい、という態度です。便利な解析ツールも提供されるとあります。

最終的には個人情報はアマゾン本家の養分となり、そこに集約されて行きます。
楽天は直接モノを売ってはいませんが、アマゾンはモノを売っているので、もし同じものを扱う場合は、アマゾンが勝つことになるので勝算があるのです。

この流れはブログ以前は独自にホームページを作る人が多かったのが、ブログが登場してからは、軒並み個人サイトがブログに移行したことに似ています。ホームページ作成というハードルを低くしたことで、日記を書くという習慣が広まったのです。

アマゾンはプラットフォームを提供して、コンテンツの充実をショップオーナーに任せることで、アクセストラフィックを増大させるのが狙いでしょう。

アマゾンの日本法人は日本に税金を納めていないなどと言われてはいますが、楽天市場で高い広告費に悩む人にとっては朗報となるかもしれません。

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