弱者から学ぶビジネスモデルとチャンス

2013年8月27日に放映されたNHKのクローズアップ現代「スマホで広がる違法就労~10代 闇のネットワーク~」という番組が興味深かったので紹介します。

内容を簡単に説明すると、スマホを通じて仲間とネットワークを築き、行き場のない10代の若者が違法な風俗業や金融業に参入していく、という内容です。
実は内容には触れていませんでしたが、クローズアップ現代で取り上げた背景には今年7月に発覚した広島LINE殺人事件があると思われます。

広島LINE殺人事件
広島LINE殺人事件
広島LINE殺人事件
広島LINE殺人事件
広島LINE殺人事件
広島LINE殺人事件
広島LINE殺人事件
広島LINE殺人事件

広島LINE殺人事件は記憶にまだ新しいと思いますが、16才少女へのリンチをLINEのグループチャットでリアルタイムで実況し、その内容があまりに稚拙で凄惨過ぎる、と話題になりました。

▼広島LINE殺人事件の会話が怖すぎる NAVERまとめ

いま世間を騒がせている「広島LINE殺人事件」の会話をご紹介します。

広島LINE殺人事件の主犯格の少女は16才の未成年ということもあり、その素顔については報道は消極的でした。
しかし、週刊誌には闇デリヘルの元締めだったと暴露されています。
おそらくマスコミはネットでの拡散を配慮して報道は見送ったのだと思います。
デリヘルというとバックにヤクザが絡んでいるという印象がありますが、少女たちの闇デリヘルにはヤクザはついていなかったというのがクローズアップ現代で取り上げたかったコアの部分なのです。

闇デリヘル
闇デリヘル

▼振り込め詐欺受け取り役 男装の15歳女子逮捕
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013083102000109.html

普通、風俗業というとスカウトをする人間、サービスをする人間、集客をする人間、マネージングをする人間、客とのトラブルを解決する人間と多くの人が関わり、とても一人でできるものではありません。
闇デリヘルとはいえ、組織的でなければできないと思われていたビジネスに実は落とし穴があったのです。

スマホのLINEを使うことでスカウトから営業、入金という最も難しい部分をカバーができたことが、10代に広まっている要因でもあるのです。LINEのユーザーのほとんどは10代です。
学校や家庭に居場所がなくお金と居場所が欲しい10代はたくさんいます。また彼らを狙う成人男性も数多くいます。
ゲームやブログ、SNSを通じて簡単に横の広がりを増やすことができます。
人材を揃える基礎はLINEで揃っているわけです。

つまり、無店舗事務所無しで活動できるため、警察や商圏が被るヤクザにも見つかりにくいのです。
援助交際という表向きは個人で客をとるスタイルであるため、組織化された風俗営業というスタイルに気が付きにくいのです。まずなにより客が10代との関係を暴露されることを恐れるため、余程のことがない限りは露呈しません。

で、何が言いたいというと、10代の若者には闇のネッワークが存在し、違法なビジネスが流行っている、ということが言いたいわけではありません。
ここから見えてくることは、10代の若者というカネなし、コネなし、学歴なし、スキルなしという人間であってもビジネスはできる、ということです。
いわゆる弱者でもできるビジネスには可能性がある、ということです。
なぜなら、起業をするために必要なカネ、コネ、教養、スキルといったものがことごとくないのにお金を稼げているからです。

以前、弱者のビジネスとして外国人が日本でやってるビジネスには可能性がある、ということを紹介しました。
中国人・韓国人に多い整体師(無資格でOK)や、英語圏に多い英会話講師(ネィティブなので無資格でOK)、東南アジアに多い医療介護師(日本で資格取得を目指しながら現場で働ける)など、日本でカネなし、コネなし、学歴なし、スキルなしといった悪条件でもなんとかなることを示しています。

大事なポイントは間違っても風俗をやれ! ということではなく、弱者の考えるビジネスはニッチで可能性がある、ということです。色々と制限がある中で、考えて考えて考えぬいてニッチを埋めるビジネスなので、稼ぐための思いもよらないビジネスモデルが隠れている可能性があるのです。

例えば、最近話題になったバングラデシュの「いいね!」のクリック工場や、中国のオンラインゲームのためのRMT(リアルマネートレード)工場があります。

RMT工場
RMT工場

▼「いいね!」クリック工場、内部は
http://r25.yahoo.co.jp/fushigi/jikenbo_detail/?id=20130813-00031596-r25

2013年8月6日のヤフーニュースでは以下のように報道されています。

▼Facebookの「いいね!」大量生産するダッカのクリック工場

ビルの一室で10数人の若者がパソコンの画面を見ながら、アカウントを使い分け、ひたすらクリックを続ける。ある若者は1千のアカウントを持っていると打ち明けた。

ソーシャルメディアのFacebook、Twitterや大手動画投稿サイトのYouTubeは新作音楽や映画、新商品のプロモーションに欠かせないツールだ。8月5日夜に放映された英民放チャンネル4の調査報道番組『Dispatches』は、Facebookの「いいね!」、Twitterのフォロワー、YouTubeのビューを大量生産する「ヤミ工場」に切り込んだ。

中国を拠点に「いいね!」やフォロワーを増やすサクラ集団の存在が日本でもクローズアップされているが、今回、調査報道の対象になったのは、縫製工場の崩壊事故で1千人以上が犠牲になったバングラデシュのダッカにあるクリック工場。オーナーは「Facebookの王様」と呼ばれていた。

ビルの一室で10数人の若者がパソコンの画面を見ながら、アカウントを使い分け、ひたすらクリックを続ける。ある若者は1千のアカウントを持っていると打ち明けた。この工場ではFacebookのいいね!は1千人分で15ドル、YouTubeは1千ビューで3ドルだ。3~4時間もすれば、いいね!が1千人分増えている。

バングラデシュの若者は1日3交代で24時間、Facebookのいいね!やTwitterのフォロワーを増殖させている。国民1人当たりの月収は約60ドル。クリック工場はバングラデシュでは割のいいビジネスなのだ。

昨年の米大統領選。共和党の大統領候補ミット・ロムニー氏が1日でTwitterのフォロワーを11万6千人も増やしたことから、フォロワーの15%が買われていた疑いがあると報じられた。

YouTubeからスターダムにのし上がったカナダの人気歌手ジャスティン・ビーバー。Twitterのフォロワーは米国のミュージシャン、レディー・ガガを追い越し、現在4200万人。しかし、その約半数はニセ・アカウントだという疑惑がささやかれている。

こうした疑惑は大手飲料メーカー、ペプシやドイツの自動車メーカー、メルセデス・ベンツ、高級ブランドのルイ・ヴィトン、政治家ではロムニー氏のほか、ロシアのメドベージェフ前大統領にも向けられている。

また、英国では業者が間に入ってTwitterでセレブ(芸能人や有名スポーツ選手)たちに新商品についてつぶやかせるビシネスまで登場。広告まがいのつぶやき防止策として、Twitterは「♯ad」のハッシュタグを入れるよう利用者に呼びかけている。

Facebookのいいね!は1日45億回(昨年より67%増)のペースで増えている。このうち何%がバングラデシュや中国のクリック工場で生み出されているのかは、誰にもわからない。

(紹介終了)

「いいね!」やツイッターのフォロワー数が金が買える、ということで政治家からアーティスト、セレブらがこぞって闇業者に委託している実体が見えてきます。誰でも出来て、誰もがやろうとしなかったことで大儲けしていることが分かります。
普通の人ではまさか気が付かないようなビジネスを考え、生み出しているのが「弱者」なのです。

人殺しや窃盗はもっての他のですが、犯罪関係のニュースには「弱者のビジネス」が垣間見えるのです。
それを合法的にブラッシュアップしたり、パラダイムシフトすることができれば、立派なビジネスモデルとなると覚えておいて下さい。

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