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長岡式:マーケティング基礎入門 その10 オタクとマニアを取り込め! イノベータ理論 後編

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前回はイノベーター理論を学び、消費者には5種類いることを紹介しました。
消費者に新商品を浸透させるためには、まずイノベーター=オタクやマニアに見つけてもらう必要があります。
イノベーターを通じてアーリーアダプター、、レイトマジョリティ、ラガードと浸透して行く、というのがイノベーター理論だったわけですが、最近のマーケティングは少々強引で、普通ではありません。

イノベーターが目先が鋭く賢い人であるのならば、ラガードはノロマなバカです。
まずイノベーター中心に展開されていたマーケティングは見直されつつあります。
アーティストやセレブといった違いの分かる有名人が広告すれば売れる、といった時代は終わりつつあります。というのもネットの普及がラガード層にまで達したからです。

例えば、有名人が「これはいい」とテレビCMで宣伝すると、その感想がネットに書き込まれます。
これはリアルな素人の感想です。有名人は確かに広告効果は高いでしょうが、そのユーザーにとって実益があるとは限りません。

みんなはいいというかもしれないが、ライフスタイルが多様化した今「この私」に相応しいかどうかまでは疑問である、と多くのユーザーが学習済みです。となれば、ネットのレビューや感想文を参考にするのは自然の流れです。ある意味、このムーブメントは有名人といったハロー効果を除外したリアルな評価だということです。
ネットではみな一時的に多数のユーザーの書き込みを参考にして、プチ評論家に変身します。
マーケッターにとってかなりシビアな社会となってしまっています。

紐にエサをぶら下げて、紐の先を引っ張れば一網打尽に釣れるといった時代は終わったのです。
そこで考えられたのが、いかに「イノベーターに発見してもらうか?」ではなく「いかにバカに見つかるか?」です。

つまり、イノベーターではなくラガードを狙うことで、逆説的にブームを作り出そうという作戦です。
見たことがあると思いますが、例えばとある映画が公開されると、テレビ広告でその映画を観た素人達が続々とその映画の感想を述べます。
あるいは広告ページやチラシの商品の横には、その商品の体験談が掲載されていたりします。

その内容は大抵は、「期待はしていなかったけれど、試してみたら思ったよりも凄かった」というものです。
別の言い方をすると、期待度が低ければ低いほど、実際に受け取った価値が高ければ、感動は大きい、ということです。

感動=期待値-実際に受け取った価値

イノベーターの目はかなりシビアなので、イノベーターの初期期待値は非常に高いはずです。
ということは、良い物を作っても実際に与えられる価値が低ければ、感動どころかクレーム沙汰になりかねません。それならば、むしろ、期待値が低いユーザーを狙った方が、より大きな感動を引き出せるというわけです。

そのため、素人を多用し素人の感想を掲載することが多くなったのです。
さらに言うと、サクラの素人(ラガード)を使うことで、他のラガード層を刺激し、より付加価値を大きく拡大する戦略がとられるようになってきました。

広義的にはイノベーターを刺激し、狭義的にはラガードを刺激する挟み撃ち作戦です。
巨大な恐竜のようなカーブを描いたユーザーグラフの頭と端を狙い撃ちすることで、最もボリュームの大きい胴体(マジョリティ)を狙う作戦です。

イノベーター理論には「普及率16%の論理」というものがあります。

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