長岡式:072【二兎を得るには十兎を追え!】

二兎を追う者一兎も得ず
という諺がある。
しかし、案外知られていないのは
十兎を追う者は、二兎を得る
ということだ。
また、
足の速い兎は、同じ兎に追わせたほうが
効率が良い。
裏技である。

諺に「二兎を追う者一兎も得ず」というものがある。
これは、ただでさえ足の速い兎を二羽まとめて追い掛けることで、狙いが絞りきれず逃げられてしまう、というような意味だよね。

力は分散すると弱くなる。集中すると強くなる。というような意味になると思う。
だから、力は集中した方が良い、なんていう使われ方をされると思う。
実際、ウサギを同時に追いかけるような機会に滅多に遭遇することはないと思う。

でもこれを異性に置き換えてみると分かりやすい。
同時に二人の女性を追い掛けると、どちらにも逃げられてしまい一人とも付き合えない。
これは直感的に分かる。

追い掛ける立場ということは、自分に繋ぎとめておくだけのアドバンテージがないことを意味するし、逃げる相手にとっては、相手に捕まることは自分のアドバンテージを失うことを意味する。
水と油なのだ。相反する関係なんだよね。
だから必死に逃げなければならないし、確実に追い詰めなければならない。

では、ウサギをチャンスに置き換えてみるよ。
話の流れとして、チャンスが同時に2つ以上ある場合、どちらかひとつの可能性に集中したほうがよい、ということになると思う。
可能性が低ければ低いほど、力を分散していては確率が低くなる、というわけだ。

しかし、実は場合によっては二兎以上を追っていもいい場合がある。
それは、確率に対して、確率によって結果が変わる場合だ。

例えば直線でウサギと50メートル走を競争すれば勝てる人はいないかもしれない。
これは確率ではなく実力的なことだ。このような状況では、二兎を追えば確実に失敗する。

ところが、直線ではなく、障害物や行き止まりがランダムにある場所での50メートル走ではどうか?
このような場面では、追う側も追われる側も確実に成功するとは限らない。
確率によっては格下の相手に敗北を喫する可能性もある。

つまり、実力ではなく確率的なことであれば、一兎ではなく十兎くらい追った方がうまく行く確率は高くなるわけだ。

例えば、異性と付き合う場合、異性との関係によもよるけれど、最初の出会いという成功を収めたいのであれば、一人よりも十人に声を掛けた方が、出会いの可能性は高まる。
十人だけではなく百人や千人に声を掛けるチャンスがあるのならば、必ずなにかしらの結果は得られると思う。ナンパで一人だけに絞って全力で行ってもうまくいかない。

二兎を追ってはいけない場合は、関係にステディさを求める場合だろうね。
付き合ったあとで他の人を追い掛けるのは、浮気ということになる。バレれば確実に窮地に立たされる。

つまり、二者択一の二兎を一兎に絞るような状況になる前に、可能性の枠を広げることに注力したほうが利口だということだね。
実力勝負の真剣勝負を挑むのではなく、確率に勝てそうな相手が含まれるグループを狙った方が実力は関係なく成功しやすいということだ。
1回の本番よりも1000回のリハーサルだ。

力を力に対する対策として使うのではなく、力は確率を上昇させるために使う方が賢い。可能性が高くなれば、難なくうまく行く。

質に対する量ではなく、質に対する可能性に着目する。
間違っても量ではない。量が増えれば力が分散するだけだからね。
追うのは兎というあくまでも「」であることに注意して欲しい。

可能性というのは必ずしも、「現実のウサギ」として現われるわけでない。
なにが言いたいかというと、ウサギに執着しなければ世の中にはウサギ的なものはたくさんあり、代替品はいくにらでもあるよ、ということ。
AをBに変えても結果は同じで、コストも低いのならば、可能性の高いBでも十分だということ。

応用として兎は兎に追わせる。
可能性を高めることを最大限に考えると、究極はウサギを追わないことである。
追うから逃げるのだから、追わなければ逃げないのは確実だよね。
100%逃げない状況を作るということは、100%成功する確率がある、ということだ。

方法は簡単で、ウサギを絶対追わないこと。

直感に反すると思うけれど、ウサギを追わないのならばどうやってウサギを得ればいいのか? と疑問に思うと思う。
「諦めろというのか?」と思うかもしれない。

ウサギが100%逃げずに、ウサギを100%し止める方法がある。
それは、ウサギをウサギに追わせることだ。
それも複数のウサギを使って追わせる。

足の速いウサギは、足の速いウサギのことがよく分かるウサギにやらせるのが一番なんだよね。
分かりやすく書くと、例えばなにかしらの投資話が複数あるとする。
投資率によってリターン率が変わるとする。

こういった場合、どれに投資をしようか悩むよりも、その投資話を仕切る側に自分がなった方が確実に儲かる。
追う立場でも逃げる立場でもなく、その彼らがレースをするレース場の管理者になった方がいい、ということだ。

株のインサイダー取引や、先物投資の儲け話の詐欺が異常に儲かるのは、可能性を0~約100%まで無制限にコントロールできることにある。

できるだけ追う立場にならないことだ。
できるだけ逃げられる立場にならないことだ。
できるなら運命を左右する立場になることだ。

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