ノマドワーキングでデスマーチを避けるために知っておくこと

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ネット環境が整ったことで仕事場を選ばないノマドワーキングが注目されています。
ノマド(nomad)とは遊牧民の意味で、特定の仕事場を持たない会社や、働く場所を自由に選択できるワークスタイルを意味します。

辛い通勤をしなくてもよい、会社での残業から開放されるなど、自分の時間を賢く使うスマートな働き方として注目されています。
通信環境のあるカフェや図書館で仕事をする方もいます。
ノマドは在宅勤務の一形態でもあるので、昔からある在宅ワークやSOHOと意味はさほど変わりません。

ところで、自由で気ままな在宅勤務ですが、企業とうまくいく人といかない人がいます。
そこで、在宅勤務で気をつけるべき3つのこと、について説明します。
この3つに気を付けることで、自由で豊かなワークスタイルが実現できます。

その1 密なコミュニケーションの必要性 -報連相-

在宅勤務で気を付けなければならないことは「行き違い」です。
現場に企業の担当者がいないことで、思っていた仕事と違う、頼んでいた仕事と違う、といった行き違いが発生しやすいのです。

自分は確かに聞いてメモしておいたはずなのに、企業の担当者レベルで勝手に変更があることもあるし、単に聞き忘れ、ど忘れといったケアレスミスということもあります。

しかし、いずれにせよ成果物が納品できない以上、仕事は終わりません。
この「行き違い」がなぜ起こるのかですが、顧客である企業の背景を想像してみると分かります。顧客が個人であっても基本的に同じです。

企業が在宅勤務者に仕事を外注しなければならない大きな理由は2つあります。
内部にできる人材がいないか(育成するより外注した方が人件費は安い)、いても既に案件を抱えており処理できない場合です。
前者の場合は企業担当者が未熟であるが故の勘違いと行き違いが発生するだろうし、後者の場合は企業担当者が忙しすぎて首が回らずコミュニケーション不足で行き違いが生じます。前者と後者を複合したダブルの場合もあります。

共通している背景としては、一度案件が企業担当者の手を離れると、企業担当者は別のタスク(課業)を入れてしまうため、丸投げになりがちになることです。
最初に案件を説明した後は、納品時のチェックまで連絡がない、なんてこともよくあると思います。

しかし、連絡がないというのはあなたを信頼して任せたというわけではありません。
大抵は、私(企業側)が頼んだようにやってくれるように任せた、という意味であり、在宅勤務者に何もかも委譲したというわけではないのです。

そのため、放置しておくと問題が悪化している場合が十分考えられます。
なぜなら、企業は外注を出さなければならないほど切迫している可能性が高いからです。

そもそも、忙しい、時間がない、もう予算がない、といった状況で、内部で処理できずに外部に委託することになるケースがほとんどなので、辻褄が合わないことがたくさんあったりします。

企業担当者は、他に抱えている案件の都合で、刻一刻と前提条件が変化する可能性もあります。
その情報は企業内部では共有されていても、在宅勤務者に知らされるのは優先順位的に最後です。後手に回りやすいのです。

相手からの連絡がないからといって、何もせずにいると思わぬ行き違いに発展することがあります。
また、在宅勤務者側で気を付けるべきことは、いきなり完成品を見せないことです。
納品までの間に、何度か必要に応じて企業担当者とコミュニケーションをとり、プロセスを確認してもらうことです。

そうしないと、納期は決まっているのに土壇場で修正と変更の嵐に遭い、ゴール間近でまさかのデスマーチ、なんてこともあるので注意が必要です。
こういった行き違いを防ぐために、3つの基本スキルが存在します。

報告・連絡・相談。

すなわちホウレンソウ(報連相)として知られています。

相手から連絡がなくとも、まめに作業を報告することで行き違いを最小限に抑えることができます。
なにもなくとも報告する定期連絡ルールを決めておくのなど、密なコミュニケーションが行き違いを防止してくれます。
時にはメールだけではなく、相手の感情を知るために電話をするのも有効です。

その2 イテレーション -再現性の確保-

在宅勤務で仕事をする上で気をつけるべき3つのことは、報告・連絡・相談だけでいいような気がするかもしれませんが、それだけでは不十分です。

ホウレンソウ(報連相)はあくまでも情報を共有することが目的であって、実践が含まれておらず根本的な解決策ではないからです。分かることとやることは別なのです。

では、やること=実践する上で大事なことはなんなのでしょうか?
それは、再現性の確保です。再現性の確保というのは、やったことをもう一度繰り返せるか? ということです。

例えば、タイトな納期で難易度の高い仕事を依頼されたとします。
スケジュールをやりくりして、どうしてもできない部分は同業者に外注をするなりして、キャパシティギリギリで仕事を受注したとします。

案の定、様々なトラブルがあり、睡眠時間を削りながらボロボロの状態での納品になったとします。
こういった危険な案件はもう二度とできないかもしれません。無理をしているし、運に頼っているので再現性がないのです。

他にも例えば、通常のサービスにない高品質なサービスを単発でしたとします。
こういった「良かれ」と思ったサービスにも再現性がありません。

企業担当者に、それ相応の知識があれば「特別にサービスをしてくれたのだな」という意識なり感謝が生まれるのですが、そうではない場合、悪い条件付けをすることになります。

つまり、無理を言えば対応してくれる。本当はできるのに対応せず怠慢である。強く言えば何も言えなくなる。などといった誤解を与えることになります。

過剰サービスは過剰な要求へと成長する、ということを覚えておきましょう。
もっと簡単に説明すると、反復(イテレーション)性があるか? ということになります。

自分がやろうとしていることに再現性があり、同じ品質で繰り返し提供できるか? というのはとても大事な考え方なのです。自分の成果に再現性があり、イテレーション(反復)できるとかどうか常に意識しましょう。

その3 契約書はできないことを書く -リスクの分散-

とはいえ、自分が安定してできる安易な仕事だけを請けていたのでは、ライバルに負けてしまいます。
在宅勤務者に来る案件というのは、少し無理をしないとできないようなレベルのものがほとんどです。

なぜなら誰でもできるような仕事であれば、その企業が内部で処理できるからです。
自分だけに見積りが来ているわけではなく、複数人に相見積りを採っている場合も十分ありえます。
そういった場合、出来る仕事しかしません、という態度では失敗はしないかもしれませんが大きなチャンスに恵まれません。

「その2 イテレーション -再現性の確保-」と矛盾したことを述べていると思われるかもしれませんが、在宅勤務者はこの矛盾を解決してこそ一人前なのです。

では、どうすれば解決できるのでしょうか?

答えは「契約書」です。

駆け出しの個人だと契約書なんて恐れ多いとか、作り方が分からないといった理由で、作らない方もいると思いますが、契約書は無いより在ったほうが断然いいのです。

詳しい契約書の作り方については割愛しますが、大事なことは契約書には「できること」を書くのではなく「できないこと」を書くことです。案件の内容がコロコロと変わることはよくあることです。
これを防ぐために契約書に「できること=やること」を書いてしまうと、辻褄が合わなくなって膠着してしまう可能性があります。

いくつ製造して、いついつまでに納品する、といった単純な製造ならいいのですが、クリエティブな仕事には変更はつきものです。変更がないに越したことはないのですが、こればかりは仕方ありません。変更を認めなければ使い勝手が悪いと思われ、次回から仕事が来なくなる可能性があります。

しかし、なるべくなら変更による被害は最小限にして無事に納品をしたいはずです。
この矛盾を解決するために契約書には「できないこと」を書くのです。

例えば、分かりやすく説明すると、静止画と動画というものがあったとします。
静止画と動画は作り方も異なるし、制作するソフトも違ったりしますが、素人目からみればただの「画」でしかありません。
なにかしらの技術で簡単に動かすことができるのだろう、と思われているかもしれません。

作る側にしてみればとんでもない話なのですが、こういった行き違いは企業担当者と話をしてみるまでは分からないのが普通です。あるいは競合他社はいとも簡単に対応してくれて、それが標準だと考えているかもしれません。

しかし、やるべき作業を事細かくリストアップしていくのは非現実的です。
なので、足し算ではなく引き算で考えます。

例えば、画像を制作する仕事であれば、このように取り決めておきます。

  • 動画には対応しておりません。
  • 元画像より大きく(鮮明に)することはできません。

これだけでリスクを分散し、無理な注文を避けることができます。

または、冒険をして少しハイレベルな仕事をしても、トラブルを最小化できる可能性があります。
注意して欲しいのは、できないこと=やりたくないこと、ではないことです。

「できないこと」については、もし対応をして欲しいのであれば、別途見積りをした上で、別料金を頂戴いたします、という意味なのです。できないことや聞いてないことは、お金を追加で取れるチャンスだと考えて下さい。

これがもし契約の段階で取り決められていないと、対応しないことで理不尽な誤解を受けてしまうかもしれません。
これまでの話をまとめると以下のとおりです。

在宅勤務で仕事をする上で気をつけるべき3つのこと

1.密なコミュニケーションの必要性 -報連相-
2.イテレーション -再現性の確保-
3.契約書はできないことを書く -リスクの分散-

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