衆議院選挙後の日本に未来はあるのか?

前回の「ネット投票で人気No1の国民の生活が第一はなぜ無視され続けるのか? 後編」については様々な人から(微妙な)反応があり、狙い通りといった感じです。

12月に入りまして、色々と気になることが目白押しだと思います。
衆議院選挙もそうだし、ハリウッド映画にもなったマヤ暦と人類滅亡といった噂なんかもあります。富士山の噴火と首都直下地震なども心配ですね。
12月はそうした気になるけれど人には聞けない、話せないネタを特集したいと思います。まずは直近の政治ネタです。

次の衆議院選挙は結局なんなのか? 何を意味するのか?
一言で言い表すならば「脱アメリカか否か?」です。
日本はアメリカ側に付くか否かを問う選挙、それが次回の衆議院選挙だと言えます。

ただこのことについてはマスコミでは報道されていません。
その理由については前回書いた電通のことからも察せられると思います。

どのような政策を持った党が与党になるかで、我々の未来は決定します。
コラムの「あなたの10年後の履歴書」を休載していますが、理由は衆議院選挙の結果で大きく未来が変わるためです。

では、実際どの党が与党になりそうなのか?
恐らくはなんだかんだで自民党ではないかと思われます。
自民党は民主党以前の政治に戻る恐れがあります。

特にTPPについてはアメリカを筆頭とした中国包囲網であり、日本の外交政策に影響を及ぼします。
企業が脱中国を進めているとは言え、まだまだ製造業の中国依存は強いままです。

またTPPは加盟国内の関税を取っ払う協定なので、これまで国際競争力がなく弱かった産業の保護がなくなることを意味します。
つまり、よりグローバル化=弱肉強食化が進むことになります。

もちろん、関税を撤廃するわけですから、日本の得意分野もあるわけで、負けた分野を取り返すこともできるはず=日本の大躍進だ、というのがTPP推進派の意見だと思われます。

ところが、そうなればいいのですが、問題なのがISD条項です。
ISD条項というのは、特約のようなものです。
基本的にはこうだけれど、例外もありますよ、という後出しのお約束です。

具体的にはISD条項(投資家対国家間の紛争解決条項:Investor State Dispute Settlement)の略語であり、主に自由貿易協定(FTA)を結んだ国同士において、多国間における企業と政府との賠償を求める紛争の方法を定めた条項を意味します。

ポイントは「投資家対国家間」です。なぜ国家間の決まりごとに、投資家が出てくるのか?
不思議ですよね?

これは簡単に言うならばこうなります。

「ある国の政府が外国企業、外国資本をいじめて差別をした場合、当該企業がその差別によって受けた損害について相手国政府に対し、賠償を求めることができる決まりごと」

例えば、日本企業がアメリカに安くて品質の良い車を大量に輸出したとします。
政府が車作りの補助金を援助してくれたので安くできたとします。
すると、燃費の悪いアメリカの車製造業は衰退することが考えられます。
弱肉強食なので仕方ないのですが、ISD条項はこれを覆せる可能性があります。

「いやいや、ちょっと待て! 確かに日本車は安くて丈夫で燃費は良い。しかし、売り方に誤解を招く表記があったんではないかい? 誇大広告はなかったか? 消費者の判断を歪めるマーケティングをしてなかったか? 不当に安すぎる価格で販売してなかったか?」

あるいは、日本に外国産のコメが入ってきたけれど、農協主導のもと「外国産米はマズイから食べないほうがいいよー」と誘導すれば、コメを作った外国の農家が「いじめられ差別された」と訴えることができます。

このようなイチャモンが付けられるわけです。
そして裁判が行われて、何らかの不正が認められれば、一企業ではなくその国の「政府」に賠償を求めることができる、というわけです。

政府に賠償が行くということは、国民の税金によって支払われるということです。
その額が大抵はハンパではなく、びっくりするような額になります。

例えば、アメリカとメキシコ、カナダで賠償命令が下されています。

米国企業メタルクラッド社 対 メキシコ政府

メキシコのCoterin社が廃棄物処理・埋めたて施設運営していた。
Coterin社は暫定保管施設の施設運営権を半年購入し、埋立てを計画した。

しかし、地元自治体は有害物質の埋め立て計画の危険性を考慮し許可を取り消した。
プロジェクトは停止され、メタルクラッド社は、この許可停止が収用行為に該当するとして賠償請求した。

裁定で、加盟国が環境基準を設定、国内措置を採用しうる(1114条1項)としても、一旦活動を承認した後での許可取消は、外国企業の公平な取り扱い規定に違反することと判断され、賠償命令としてメキシコ政府がメタルクラッド社に1670万ドルを支払うこととなった。

米国企業メイヤーズ社 対 カナダ政府

廃棄物処理事業を行っていたオハイオ州に本拠を置くメイヤーズ社は、カナダで処理した廃棄物(PCB)を米国国内に輸送しリサイクルする構想を立てた。

しかし、カナダ政府は環境上の理由から、米国への輸出禁止を一定期間行った。メイヤーズ社は、この輸出禁止措置がNAFTA11章に違反するとして仲裁裁判所に2000万ドルの賠償請求で提訴した。
この判決でメイヤーズ社の主張が有効であるとされ、823万ドルの賠償の支払命令が行われた。

 

米国エチル(Ethyl)社 対 カナダ政府

オクタン価を上げるためのガソリン添加物でマンガン化合物のMMTが神経系統に影響を与えるとして97年4月、カナダ政府が輸入・越境販売を禁止した。

エチル社は、これをNAFTA違反であると提訴し、協議の結果、和解(1998年7月)が成立し、エチル社は提訴を取り下げ、カナダ政府はMMT輸入・越境販売禁止を撤回し、エチル社に推定1000万ドル(当時、約14億円)の賠償(提訴費用と損失補償)を支払うことを決定した。

さらにカナダ政府は「MMTは環境・健康のいずれにも害はない」という声明を発表、エチル社はこの声明を同社の広報で使用する権利を得た。しかし、ケベック大学の調査では血中マンガン濃度と神経系統の障害には相関関係があることが明らかにされていた。

このような事例がありました。
そもそもはせっかく関税を撤廃して自由貿易をしているのだから、お互いに不公平がないようにしましょう、というのが目的です。

ところが、ISD条項は国の主権にまで影響を及ぼしかねないのです。
事例でもあるように、その国の人達がこれは公害物質だから危険だし反対しよう、と民主的に動いても、企業に損失を与えたという理屈で賠償金を請求されるのです。
外国企業 > 国民主権 というわけです。

つまり、独自に自国民の健康、安全、福祉、財産、環境などを守るために作ったルールを、外国企業の言うとおりに変えることができる、ということです。
自国のルールはちゃんと自国で守っていける国でなければ、独立主権国家とは言えません。

これを穿った見方をすれば、TPPの裏の目的は、加盟国の主権を剥ぎ取るのが狙い、ということになります。

侵略せずとも自治権を維持させたまま傀儡にすることができる可能性があるわけです。

このISD条項についてはマスコミではほとんど触れられていません。
TPPというと農業が衰退するとか、参加すれば日本のモノづくりが生き返るから大チャンスだ、といったレベルでしか話合われておらず、いわば目眩ましです。

なのでTPPに賛成していれば、脱原発も消費税増税反対も意味がないのです。
なぜなら後出しでTPPのISD条項によってルールの書き換えができてしまうからです。
こうなると日本で民主主義に則って、いくら反対しようが覆られない可能性が高いのです。日本は今後、外国資本に養分だけを吸われる存在となります。

話は戻ります。
自民党が与党に返り咲くと、このような危険未来が実現する可能性があります。
自民党だけではなく、TPPに賛成している民主党、日本維新も同様です。

あたかも、自民党、民主党、維新の三つ巴のような様相が偏向報道され、国民の判断に委ねられています! という図式になりつつありますが、本丸はTPPなのです。
この3つの党のうちのどれだ! というレースに見せかけて、

実は3つのうちどれでもいいのです。

政策一覧
政策一覧

TPPさえ通ってしまえば、日本国民が反対しようがなにをしようが、外からオペレーションが行えるようになるからです。

で、これについてはもう多分、個人の力では覆すことはできないでしょう。
自動的にシナリオが進み、来年以降は国民全体がグローバリズムの波に飲み込まれていくことになると思います。

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