クライムマーケティング その1 マーケティング慣れした時代の顧客像

いつまでも使える最強のマーケティングメソッドはないのか?
そう思われている人はたくさんいると思います。
マーケティングメソッドは時代を反映するものなので、時代が変わり流行が変わると使えないということが度々あります。

例えば、百貨店戦略はあらゆるものを一箇所に置いて、あらゆるニーズに対応することで集客力を高めるものでしたが、ネットの登場で人々は品物がある場所に自ら出かける必要はなくなっています。百貨店は徐々にその役割を終えつつあると言えます。

他にも最近ではマーケティングメソッドは進化し続けており、人間の脳神経細胞の動きから欲しいものを予知、予測するというニューロン・マーケティングや、大量に集められたビッグデータという個人情報の詰まったデータベースから、その人のニーズを予知、予測するというビッグデータ・マーケティングというものもあります。

人々の趣味嗜好は細分化し続け、様々なライフスタイルが登場しています。

一概にこのマーケティングが効果的とは言えなくなってきています。

つまり、その時代のニーズに合うマーケティングメソッドを都度見つけて行く必要がある、ということになりますが、実はこの先ずっと使い続けることができる最強のマーケティングメソッドがあるのです。

これはあまりにヤバすぎて分かっていても伝えられない内容でした。
普通のメディアでは道徳的に伝えることが難しいのです。

しかし、私のメディアは普通のメディアではありません。

最強のマーケティングメソッドを長岡式で分かりやすく伝えて行きます。

その名もクライムマーケティングです。

はじめにクライムとはなにかというと犯罪のことです。
犯罪というとドン引きされると思いますが、このメソッドは犯罪を推奨しているものではありません。
犯罪思考から解決策を見出していく、というのがポイントです。

ではなぜ犯罪思考なのか? それはこういうことです。
仮に売り手と買い手がいて、その力関係は50%ずつの半々だとします。
売り手もモノを100%売りたいし、買い手もモノを100%買いたいとします。
お互いの気持ちはハッキリしているわけですから、あとはモノの価格だけが問題です。

売り手は価格を100%コントロールすることができます。

高いも安いも思いのままです。
一方で、買い手は100%買うか買わないかをコントロールすることができます。
どんなに安くてお得でも買い手が要らないと言えば、100%売ることはできなくなります。売り手と買い手にはこういった絶妙な関係があるのです。

さて、マーケティングというのは売り手が買い手にモノをどうすれば買ってもらえるか? という視点を軸にしています。主に売り手側の視点なのです。売り手は常に買い手の動向についてを探ります。その中である大きな流れが見つかればそれは何かしら流行の兆しです。

例えば、会計の後に割引クーポンをあげると、何割かの人が何ヶ月以内に来店する、という統計が見つかれば、それはクーポン・マーケティングとして深化していきます。
クーポンでちょっと損はするけれど、トータルでは儲かるというわけです。

要するに、売り手は買い手にいかに余計なお金を使わせるかを常に考えており、そのヒントを買い手から得ているということです。
逆に買い手側は自分の言動や履歴が売り手側の利益に繋がっていることを学習しています。個人情報保護法施工以来、自分の個人情報に価値がある、ということを認識している人が増えています。

つまり、売り手側に買い手側の情報を知られるということは、力関係において不利になる、ということです。
50/50の力関係に偏りが生じることを意味します。

例えば、高速道路で150km圏内にガソリンスタンドがないことを知っていれば、ドライバーは多少価格が高くてもそこで入れざるを得ない可能性は高くなります。弱味を知られるということは、足下を見られるということです。
当然、売り手は高い値段をふっかけてきます。

こういった極端な力関係の偏りを防ぐために、買い手というのは売り手になるべく情報を渡さなくなりました。
売り手の戦略を読むようになったのです。接客を避けたり、アンケートにウソを書いたり、ネットで価格を比較して買うようになったり、より賢くなったと言えます。
これをこれからクライミング(犯罪思考化)と名付けます。

このような化かし合いのマーケットでは、半額デーと称しサービスをしても顧客のロイヤリティには繋がりません。半額にしても元が取られるくらい安い原価であり、今まで客を騙していたに違いないと思われる可能性があります。

例えば、洋服の青山のツーパンツスーツはジャケットに対して傷みやすいパンツを2本付けるというサービスですが、(犯罪思考化)が進んだ世界では、2本も要らないから1本分値引きして欲しい。2本付けても元が取られるということは、原価はかなり安いはず。ぼったくりだ! となる可能性があります。
感謝されるどころか裏読みされて、逆に足下を見られることもあります。

様々なマーケティングが発達すると値上げする理由よりも、値下げする理由の方が理解されなくなる、という皮肉な問題が起きます。下手に値下げをすると今までの価格はなんだったのだ? 金返せ! となる可能性もあります。
ポイントは行き過ぎたマーケティングの弊害です。

動物の本能と違って人間は学習する生き物です。動物は本能に従い常に同じ行動をとりますが、人間は違います。二回目、三回目と回数を経ることによって学習し、行動パターンが変化します。

例えば、お寿司が好きだからといって、毎日お寿司は食べません。昼にお寿司を食べたら、夜は別のものを食べようと考えるものです。
なかなか売り手の思い通りにはならないのです。

思い通りにならない売り手というのはあれこれ考えます。

それがマーケティングです。
前述したように、売り手は価格を100%コントロールすることができます。高いも安いも思いのままです。
一方で、買い手は100%買うか買わないかをコントロールすることができます。

どんなにマーケティングが深化しても、買い手が買うか買わないかを決める決定権があり、お金がなければ買えないということです。
すると売り手が駆使するマーケティングに対して、買い手はクライミングで対抗するようになります。

どういうことかというと、そんなに売りたいなら価格を安くしろ! 付加価値を付けろ! 不良品は返品しろ! と要求するようになるということです。
買い手はたったこの3つの要求によってどんなマーケティングも丸裸にできます。
どんなマーケティング手法を使ってくるかはわからないけれど、安くしろ、おまけしろ、返品しろの三大要求には弱いのです。

例えば、買い手がその商品をどんなに欲していても「もっと安いところで買う」または「もっとおまけしてくれるところで買う」という意地悪をすればいいのです。

すると、競合他社が現れて売り手同士の競争となります。どちらがより安くできるか価格競争を始めます。

価格で勝負が付かなければサービスで勝負するようになります。あるいはその逆もあります。毒を以て毒を制すですね。

しかし、売り手側も黙ってはいません。このような無理難題をふっかけられると最終的には、価格はほぼ無料になり、サービスはすべてとなり、保証は最大無限となるからです。

例えば競争の激しいケータイ市場では一時的にこれに近い状態に陥ったことがありましたよね。

これでは安く仕入れて高く売ることで利益を出している売り手にメリットはありません。そこで売り手側は買い手側の要求に対抗するために結託をするようになります。
悪い言葉でいうと業界内で談合や価格協定を結ぶようになります。そうしなければエスカレートして不当廉売に陥るためです。

対して買い手側も黙ってはいません。ネットで最安値を検索したり、気に入らなければレビューサイトで悪い評価をつけたりします。

買い手側は不特定多数が集まって知識を共有します。

買い叩けば叩くほど買い手には有利になります。特に相手に過失がなくとも叩けば叩くほど買い手には有利に働きます。

なぜなら売り手に不満を訴えるほど、商品やサービスは改善されていく傾向があるためです。

ここまでの話を簡潔にまとめると、売り手も買い手も最大利益を得るためにお互い先読みをしあっている、ということです。

続く。

関連記事