邪悪になるGoogle アンドロイドの野望 後編

▼邪悪になるGoogle アンドロイドの野望 前編
http://lesson.paso2.net/member/mm/349.html#AndroidAmbition1

▼邪悪になるGoogle アンドロイドの野望 中編
http://lesson.paso2.net/member/mm/349.html#AndroidAmbition2

前回、Googleが邪悪になっているのではないか? という話をしました。
3月1日以降はプライバシーポリシーが変更され、ユーザーの匿名性は一貫して失われます。誰がどこで何をしているか? ということがネットでもリアルでも丸裸になる可能性があります。

いったいGoogleはどこに向かっているのでしょうか?
ここからは私の妄想です。
Googleがやろうとしていることにブレがないとするならば、そのヒントはGoogelのミッションにあるはずです。

ミッションにはこうあります。

「Google の使命は、世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすることです。」

▼Google について / 会社情報
https://www.google.co.jp/intl/ja/about/corporate/company/

Google の理念ではこのように書かれています。

1.ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
2.1つのことをとことん極めてうまくやるのが一番。
3.遅いより速いほうがいい。
4.ウェブでも民主主義は機能する。
5.情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない。
6.悪事を働かなくてもお金は稼げる。
7.世の中にはまだまだ情報があふれている。
8.情報のニーズはすべての国境を越える。
9.スーツがなくても真剣に仕事はできる。
10.「すばらしい」では足りない。

▼Google の理念 / Google が掲げる 10 の事実

ここから見えてくるのは何かというと、Googleはアンドロイドを作ろうとしている、ということです。アンドロイドというのは人工生命体のことです。

説明します。
まず、「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使える」というのは無理があります。これは絶対的に無理なのです。
理由は情報は整理するだけで増えていくからです。

例えば、全人口が100人だったとします。情報の総量が100だったとします。
Googleが仮に100人分の情報量100を取得したとします。
ある1人がGoogleを使って情報を検索しようとしたします。
1人が100人の情報にアクセスするので1/100となります。
検索結果は100件表示されることでしょう。

しかし、この時、1人が100人の情報から1つの情報を選び出す判断理由については、新しい情報なので100件には含まれていません。あくまでも過去の情報なのです。

情報から何か1つを選び出すということは、それ以外の情報は選ばない、ということです。それとそれ以外という基準で情報をふるい分けしなければなりません。つまり、優先順位を付けて情報を整理するわけです。
この整理をするという行為自体が情報なので、どんなに情報を集めても選択の段階で情報は必ず増えてしまうのです。

もっと簡単な説明をします。例えば、この世に1人だけしかいなかったとします。Googleがその1人の情報を全て持っていたとします。
情報1人分なので1と表現します。
すると当然ながらその世界には、Googleが持っている情報とその人自身の情報とを合わせて2つの情報が存在することになります。
Googleが情報をコピーしたことで情報量が増えているわけです。

物理的にも証明可能です。
Googleが自分自身を検索するとリカージョン(再帰:自分自身を呼び出すこと)が発生しループして処理が終わらないはずです。掃除機が自分自身を吸い込み続けるようなものです。

検索できる情報は無から生み出されているわけではなく、ウェブを巡回して取得されています。検索ユーザーが検索エンジンを利用して情報を取得する、ということは、いわば情報をコピーするということに他なりません。

もし情報にオリジナルがなく、コピーする人しかいなくなれば、コピーだらけとなって非常に精度の低い検索結果になるはずです。

そんなわけで検索エンジンが最も嫌い恐れることは、自分自身を知ることなのです。検索エンジンのデータをスクリプトなどで自動で巡回取得し、ウェブページを自動生成されるのを非常に嫌います。
そもそも核となる情報を持たないので、たまねぎの皮むきのように真空なのです。

つまり、ユーザーが検索エンジンを使えば使うほど、無駄な情報は増え続け、ユーザーは検索エンジンを使い続けなければならなくなるのです。
これがいままでずっと検索エンジンがやってきたことです。
SEOで競わせて情報を整理するどころか増やし散らかし続けてきたのです。

なぜなのか? 広告収入を得るためです。無意味な情報が増え続けると汚れるのでボランティアの人達が情報を整理します。新たな意味付けをし有意義なコンテンツを作り出します。その多くはボランティアです。
そのボランティアにとりついて情報をコピーして散らかして無理矢理市場を拡大してきたのがGoogleです。これがGoogleのビジネスモデルなのです。

Googleの目的の第一段階は広告収入を増やし、資金を集めることです。
Facebookが出てきたとはいえ、その目標は達成されています。
Googleの目的の第二段階はアンドロイドを作ることです。

結局、情報を整理するには整理してはいけないのです。整理をすればするほど情報は雑然となるためです。ではどうすればいいかというと、情報の元を抑えればいいことになります。

情報の元というのは人間の脳内です。この臓器から外の世界へ向けて情報は発信されています。ということは、ネットを巡回して情報を取得するのと、人間の脳神経ネットワークを巡回して情報を取得することは、ほぼ同じということです。

とはいえ、人間の脳神経ネットワークに侵入することはできません。
非破壊的に侵入することも不可能です。もし頭に電極でも挿したら大問題です。
そもそも、コンピュータと脳では、信号をやりとりする方法が違います。
しかし、ある方法でコンピュータと脳を仲介させることで可能になります。

それは言語です。言語は人間の脳神経ネットワーク内の情報を外に伝達し、共有するための共通言語であり、中間言語です。
つまり、言語系を分析調査することで、その人の思考パターンが解析できるということです。その人に経験として存在しないことや、語彙として存在しないことは、言語としても出てこないし、理解もされないのです。

その言語系が毎日大量に流れこんで来て、それが何を意味するのか紐付けられる所があります。そうです。検索エンジンです。
Googleの目的の第二段階はアンドロイドを作ること、というはそういうことです。

Googleが開発した携帯OSである「Android」というのはこれを意味しています。
Googleのアンドロイドプロジェクトは急ピッチで進んでいます。
例えば、2012年6月26日のニュースで、
「Google、脳シミュレーション…猫認識に成功」とあります。

▼Google、脳シミュレーション…猫認識に成功

 米Googleは26日(現地時間)、同社の「Google X Labs」が人間の脳をシミュレーションする研究で大きな成果を挙げたと発表した。コンピューターが猫を認識する能力を自ら

これはコンピュータに猫とはどういったものか? という概念を教えこませて猫とそうでないものの区別をさせることに成功したというものです。
まだ単純な猫ですが、これがある特定の属性を持った人間が認識できるようになると、その人物に合わせた広告表示が可能になるはずです。

このような学習には非常に長い時間とあるゆるパターンの情報が必要で労力が掛かるが、多くのユーザーがクラウド的に協力すれば短時間で完成してしまうことがあります。

例えば、「ダーウィンチューンズ(DarwinTunes)」と呼ばれる実験は、リスナーの反応により自然淘汰で進化する音源の作成を目指しています。
現在大人気のボーカロイドソフトが、ユーザーの好みに合わせてリアルタイムに歌詞を生成し、曲を編成して歌ってくれたらすごいと思いませんか?
そのような可能性を秘めたプロジェクトです。
将来的にはリスナーのオンリーワン・ミュージックが作成できるので、アーティストは不要になるのかしもれません。

▼ポップソングに才能は不要?「自然淘汰で進化」する音源 英研究

【6月20日 AFP】才能は不要――完璧なポップソングは、コンピュータープログラムで作った曲をリスナーの反応によって調整し、「進化」させていくだけでできるとする英国の研究が、18日

また他には、2012年5月21日のWIREDニュースで「アルゴリズムは記者より優れた記事を書けるだろうか?」という記事が掲載されている。コンピュータによる自動記事作成プログラムの進化が著しいというもので、自動ジャーナリズムという言葉で紹介されています。

▼アルゴリズムは記者より優れた記事を書けるだろうか?

毎日、何百ものニュースが、人間ではなくコンピューターによって作成される。この自動ジャーナリズムは、なんと5年以内にピューリッツァー賞を受賞することを狙っている!?

5年位内に人間が文章を書くよりも読みやすく、そして情報が正確な記事を書くプログラムが登場しプロのジャーナリストが不要になるかもしれない、という内容です。

スマホの分野では、Siriやしゃべってコンシェルといった音声による対話型アシスタント機能が登場し、人間の言葉を割と理解し答えてくれるサービスがウリとなっています。

話は戻って、今人工知能が非常に熱いのです。
Googleの目的の第二段階はアンドロイドを作ること、というのは着実に進められています。

さらにその先には、自動収益という第三段階があります。
Googleの収入源は広告収入です。広告でモノが売れるとそれが広告収入になります。しかし、広告費と広告で売るモノの価格を比較した場合、当然のことながら、広告で売るモノの方が広告代より価格が高いのです。

つまり、その広告が本当に効果があり、モノが売れるのならば、自分がその広告を使って、オリジナル商品を売った方が儲かる、ということです。
ネットでは物体は直接売り買いできないし、在庫のリスクがあります。

できれば情報を売ることが出来れば、送料も無料だし、在庫のリスクもありません。さらに、その情報を無料で作り出すことができれば利益率は非常に大きくなります。

もうお分かりだと思いますが、Googleが第三段階で目指しているのは、人工知能を使った自動収益です。
今、多くのネットユーザーがSNSやブログでコンテンツを作って、それを検索エンジンが借りている状態ですが、自らがコンテンツを作り出すことができ、それによって利益を得られることができれば、広告収入の比ではない、ということです。

自動ニュース作成、自動ゲーム作成、自動楽曲作成、自動画像作成、自動衣類作成など、どういったテクノロジーが実用化されるかは分かりませんが、Googleが多くのユーザーからユーザー知を集めて、アンドロイドを我々のパートナーとしてあてがう時がきたら、プロレタリアート(賃金労働者階級または無産階級)にとっては脅威だということです。

ネットで自動的にオーダーを受けて、自動的に設計し、工場のロボットを遠隔で自動的に操作し、自動配送カーで顧客の元に送り届ける、そんな世界がすぐそこまで来ています。
これがアンドロイドの野望です。

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