交錯する陰謀とメディア・コントロール

世の中、様々な陰謀論があったりしますが、本当のところは分かりませんよね。しかし、最近のメディアからの発信には興味深いものがあります。

例えば、原発推進派と反原発派の対立意見。地球温暖化説と地球寒冷化説。
首都直下型地震の被害想定と死者数の誤差などです。
他にもEU危機やイラン・イスラエル危機などがあります。

特に今話題になっているのは地球温暖化説と地球寒冷化説の対立意見だと思います。

2012年4月18日に毎日新聞が地球シミュレータによる計算で、「地球温暖化の影響で、中心気圧が850ヘクトパスカルを下回る史上最強の台風が発生する恐れもある」ということを報じています。

▼今世紀末予測:台風が凶暴化 最強級10~20年ごとに

その翌日の19日には日テレニュースで、太陽活動の異常により地球が寒冷化する可能性があることを報じています。
太陽活動の異常は約170年前と約370年前にも起きたとみられており、それぞれの約10年後には太陽の黒点の数が減って地球が寒冷化していたという内容です。

▼約10年後に異常気象?太陽の“異変”観測

さらに翌20日には朝日新聞が太陽の周期活動異常で4重極構造になることを図解入りで詳しく報じています。

▼太陽が冬眠? 周期的活動に異変、地球に低温期到来か

素人から見ると、地球は温暖化に向かっているのか、それとも寒冷化に向かっているのか、それとも温暖化と寒冷化が同時に進行するのか分かり辛いですよね。

地球温暖化のニュースは太陽周期の異常なんかより経験的に分かります。
アメリカの巨大ハリケーンの頻出、太平洋の水温上昇、タイの大洪水、日本の台風の激化、つい最近の爆弾低気圧による暴風などが実際に起きています。

地球シミュレータでは温暖化が進行すると異常気象が発生することを以前から警告しています。
NHKスペシャルでは2006年に「異常気象 地球シミュレータの警告」という番組が制作されています。

▼異常気象 地球シミュレータの警告

地球の異常気象については、太陽黒点の減少や地場異常が起きる前からはじまっています。それをスーパーコンピュータによる地球シミュレータで計算した結果、楽観的に見積もっても地球の異常気象は激化する、という結果になっています。

太平洋の水温上昇により大気が不安定となり、局地的に熱波が襲ったり、寒波が襲う可能性があることを示唆しています。
異常気象はまだら状に発生し、あべこべな気候を生み出す可能性がある、ということが分かっています。

その結果、異常気象に見舞われた地域から難民が発生し、大問題になる可能性も付け加えられています。
番組が作れたのは2006年で2010年には異常気象が目に見えて起き始める、ということを予測していました。実際にその通りになっています。

この時点での地球シミュレータでは、京都議定書で話し合われていた温室効果ガスの削減目標が守られたら、という前提で計算されています。
ところが、人類がもてる技術を結集して温暖化防止に取り組み、京都議定書の条件をクリアしたとしても、滅亡のシナリオは修正できないという非常に絶望的な計算結果に終わっています。

つまり、楽観的に見積もっても地球全体の経済活動が停止しない限りは、地球は異常気象に見舞われ、難民が数多く発生し滅亡する可能性を示しています。
これはあくまでもシミュレーションだから、という意見もあると思います。

ところが、予測されていた4年後の2010年は本当に異常気象元年となっています。さらにコンピュータの精度が非常に上がった2012年ではどうかというと、やはり台風が凶暴化という結果になっています。

▼今世紀末予測:台風が凶暴化 最強級10~20年ごとに

面白いのはこの報道があった翌日に、まるで打ち消すかのように地球寒冷化のニュースが報じられたことです。
直接紐付けてはいませんが、まるで地球温暖化は問題ではない、寒冷化が進むので、もっと暖めなければならない、とでも言ってるかのようです。

では、太陽周期の異常と地場の4重極構造化はウソかというとそうではなくて、実際に観測され予測が立てられています。
太陽活動には周期があり、活発な時と停滞する時期があることが分かっています。
太陽観測衛星ひのでで観測されたデータがまとめられたPDFが公式サイトにあります。非常に分かりやすくまとめられています。

▼「ひので」による今回の観測の 意義と最近の太陽活動について

太陽周期の異常と地球寒冷化というのは事実だと思いますが、これまでの人類の歴史において寒冷化で生物が死滅したわけではありません。
太陽周期は11年で、異常があると12年から13年になるとありますが、逆に言えば、最低でも13年経てば太陽活動は停滞期から活動期になる、ということです。

しかし、地球温暖化はそのまま進行し続けます。大気は暖まるまでは時間が掛かりますが、一度暖まってしまうと温度が下がるまで時間が掛かるのです。
太平洋という非常に巨大なプールの中の水が1度上昇するために必要なエネルギー量はハンパではないのです。

たかだか1度上昇しただけ、という人がいるかもしれませんが、ポットのお湯とは違います。1度上昇しただけでハリケーンが巨大化するのです。
当然、日本の台風も巨大化します。

地球温暖化はウソではない。太陽周期の異常もウソではない。
ここがミソです。それ以上でそれ以下でもない。

しかし、何も言わないことでかえって陰謀論を助長します。
あらぬ妄想を生んでしまいます。

例えば、地球は寒冷化しミニ氷河期に入るから暖めなければならない、などです。
例えば、マヤのカレンダーが2012年で終わっていることに絡めて、地球滅亡説と紐付けることも可能です。

マヤ人はカレンダーが2012年で終わっているが、だからといって人類が滅亡する、という根拠はどこにもない、と述べています。
また新たな時代が始まると述べているだけです。

ところが私は4月18日~20日までの地球温暖化報道から地球寒冷化報道には違和感を感じます。ちょっとした意図があるように思えるのです。
というのも、温室効果ガスの削減を定めている京都議定書なのですが、2001年にアメリカが「そんなもの守れるか!」と、いち早く離脱しているのです。

温室効果ガスは経済活動により多く発生するとされているので、温室効果ガスの削減=経済活動の見直しを意味しています。
温室効果ガスの代表は二酸化炭素(CO2)とされていて、CO2は燃焼により多く発生します。

化石燃料を消費する自動車はCO2を多く発生すると言われています。
アメリカでは産業革命以来、自動車が増えたことによりハリケーンが巨大化しているという研究報告があります。

化石燃料の代表と言えば石油です。石油利権と言えばアメリカです。
つまり、クリーンエネルギーが浸透し石油が売れなくなると困るアメリカは、京都議定書をいち早く離脱したのです。

その他、途上国だった人口が非常に多い中国やインドと新興国は、これから経済発展が見込まれるということで削減を拒否している状態です。

温室効果ガスの削減目標は、どこの国も達成できるどころか増え続けていると言います。世界経済が不況のせいもあって、どの国も自国の利益を考えれば減らすことが難しいのです。

京都議定書は2012年末に期限が切れるのですが、その取り組みはエコに強い日本であっても減るどころか増え続け、有名無実となってしまっています。

結局、2011年にはポスト京都議定書について話し合われたのですが、意見はまとまらないまま、とりあえず5年間延長されることで合意しています。
日本は2011年に東日本大震災があった影響で、温室効果ガスの削減どころではなく、むしろ温室効果ガスを出してでも経済活動を活発化させる必要に迫られています。

現時点で、地球温暖化防止は大国となった中国とインド、そして世界経済第一位のアメリカ、さらに今後人口増加が見込まれるアフリカ諸国が削減に非協力的であることから、不可能となっています。

つまり、誰も言いませんが地球温暖化は推進されている、ということです。
なんだかエコだらけでエコが成功しているような気がしますが、成果は小さくエコビジネスとして利用されているだけです。

地球温暖化が推進しているということは、化石燃料=石油や天然ガスが今後も使われ続ける、ということを意味しています。
石油利権は儲かり続けるということです。

逆に言えば、石油や天然ガスをもっと使ってもらうためには、クリーンエネルギー技術は邪魔なのです。
原子力発電よりは火力発電の方が石油利権は儲かるのです。
石油と言えば中東問題です。中東問題と言えばアメリカが深く関わっています。
そのアメリカが京都議定書を離脱しているのは、単なる偶然なのでしょうか?

地球シミュレータの話に戻ります。
2006年の地球シミュレータでは京都議定書の削減目標が守られたとして計算しています。
5%の削減目標が守られ、エネルギーをもっと効率的に使う技術が登場したとしても100年後にはCO2は2倍に増加し、地球の平均気温は4.2度上昇するという予測が出ています。

気温1度の増加でアメリカを襲ったカトリーナのような巨大ハリケーンが発生するわけですから、4.2度ではどうなるかは想像もできません。

地球シミュレータはコンピュータなので初期値をどう入力するかで、予測がダイナミックに変わってきます。
そのため初期値をインチキすれば結果も大きく変わります。

しかし、2006年の段階では初期値をインチキするどころか、非常にストイックな値にしています。
5%削減の京都議定書が守られ、かつエネルギーを効率良く扱う技術が登場したとして計算しています。
それで100年後に4.2度という計算です。

単純に50年後は2.1度だし、25年後は1.05度です。
1度上昇の影響がカトリーナのような巨大ハリケーンを生み出すのなら、今より1度さらに追加すればさらに巨大化することは容易に想像できます。

では、今よりもっと進化したスーパーコンピュータによる計算結果はどうなのか?
現在の気候条件では2075~99年には70~100年に1回程度しか本州沿岸に接近しない最大風速54メートル超の最強クラスの台風が、今世紀末には10~20年に1回程度接近する可能性がある、という結果になっています。

▼今世紀末予測:台風が凶暴化 最強級10~20年ごとに

初期値になにを入力したかは分かりませんが、あくまでも現在の気候条件というのがミソです。
京都議定書が守られないことがほぼ確実化した今、地球温暖化は進行していくので、初期値は積分されて行きます。

つまり、超巨大台風の発生時期と頻度は前倒しされる可能性は十分にある、ということです。
どのくらい前倒しされるのかというと、推測ですが太陽活動の周期に関連するのではないかと思います。

京都議定書を守ると(石油中心に回る)世界経済が停滞することが分かっているのですが、異常気象が発生するとその責任を誰かがとる必要があります。
責任をうやむやにするには、別の理由が必要です。
それを太陽活動のせいにできれば、うやむやにできるのではないか? ということです。

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