日本のモノづくりの終焉か? シャープショック迫る

2012年8月18日、シャープが1万人をクビにするというニュースが出ています。

、人員削減を1万人に拡大も
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2012081801001285.html

シャープが今、倒産寸前の所まで追い込まれています。それが我々にどのような影響を及ぼすのかについて簡単に説明します。

シャープは2012年3月期の連結純損益が約3700億円の大赤字となる見通しで、赤字幅は過去最悪となっています。 株価は半年前に約650円だったものが、170円台にまで急落しています。

大株主の機関投資家からの投げ売りが行われていることを意味します。株価は企業の体力でもあるので、その体力が半年で一気に1/4にまで激減したわけです。

▼シャープの株価推移

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ではなぜこのような赤字に陥ってしまったのか?
液晶テレビや太陽電池関連事業などの低迷が理由です。液晶事業はかつてシャープの稼ぎ頭でした。
ところが、液晶パネルは世界的な景気減速で需給が悪化しシャープも減産せざるを得なくなったのです。

他にも理由があります。
液晶パネルはブラウン管テレビと異なり、半導体やパネルなど必要な部品をそろえれば特別な技術は不要で、比較的どこのメーカーでも簡単に組み立てられます。
つまり、質はあまり変わらないので、いかに安く生産し供給できるかが勝負となります。

この勝負に日本は韓国に負けたのです。
韓国のサムスン電子など韓国勢は、巨費を投じて部品を生産する巨大工場をつくり、製造コストを下げることに成功したため価格競争に負けた日本は次第に劣勢となっていったというわけです。

シャープは国内に世界最大の大型液晶パネルの製造工場を作ったのですが、これが失敗の元です。
世界ではスマホやタブレット端末の流行で大型液晶パネルの需要は思ったほどなかったのです。
液晶パネル事業はシャープの収益の7割を占めるため、戦略を見誤ったことが赤字転落へと繋がりました。

また昨年から続く、歴史的な円高水準が続いていることも国内メーカーを痛撃した大きな要因となっています。

国内では地デジ移行のための家電エコポイント制度の終了も大きいでしょう。
液晶テレビの価格は急落して、今や大型テレビが驚くほど安く手に入るようになっています。

シャープの債権に名乗りをあげたのが、台湾の鴻海(ホンハイ)グループです。
しかし、出資比率などをめぐって協議は難航しています。

で、今後どうなるかというと、心配されるのがシャープショックです。
もしシャープが倒産すれば、その影響は負債総額1兆円の何倍にも達する可能性があります。融資している銀行もタダでは済みません。すると、あらゆる企業の資金が詰まります。

赤字を抱えているのはシャープだけではなく、ソニー、パナソニック、NECといった大企業も同様です。
ここ最近日本の大手企業の行き詰まりが問題になっています。
相次ぐリストラ策は当面をしのぐ緊縮策のひとつとなっています。
良いか悪いか分かりませんが、リストラは日本に大きな変革をもたらす可能性があります。

日本が世界に誇れる「」と自負するとき、それは世界に通用する企業の活躍を暗に指します。日本にはソニーがある、トヨタがある、といったブランドが日本人の心の拠り所となっています。

日本のモノづくりは凄い! という時、個人が凄いモノづくりをしているわけではありません。

ある企業の開発チームが凄いモノづくりをしているのであって、日本人みんながみんなモノを作っているわけではありません。街の職人さんもいますが、国の税収で考えると軽微です。

ですから、日本のモノづくりを象徴する企業の停滞は、日本人の心の拠り所がなくなっていくことと一緒です。大企業のリストラも日本人が心の拠り所をなくすキッカケとなります。一流企業の社員も安泰ではないと分かった若者の目指すべき理想像が見えない不安。努力をすればなんとかなる、がなんとかならないと分かると社会に閉塞感が漂います。
大学に入っても就職できない。就職しても会社が存続しない。自分のやりたい仕事がない。こういった不安が日本人の心の拠り所を曖昧にしています。

するとどうなるかというと、ネトウヨ化が懸念されます。
日本のモノづくりが見下していた中国や韓国に負けて行くと、その責任の所在を外的要因では中国や韓国のせいにして、内的要因では政治のせいにする人達が出てきます。短絡的に誰かのせいにしたほうがスッキリするからです。

ちなみにネトウヨとはネット右翼の略で、ネット上で右翼的活動をする人達のことを指します。
右翼というのは国粋主義者を意味しますが、ネット右翼は韓国・北朝鮮・・アメリカに反対することで日本が護られると主張する人々を指します。

個人の不安や不満が形を変えて社会に対する不満として噴出するようになります。いわば代理闘争です。
例えば、タレントの生活保護不正受給問題やいじめ自殺事件、原発事故問題、最近では竹島・尖閣領有権問題があります。

日本をとりまく問題が形を変えた別の問題として表れてきます。
一見別々の問題に見えるのですが、問題の本質は相似形です。
フラクタルのように形を変えて何度も立ち表れてきます。
ある問題を解決しないと、別の問題として出てくるわけです。
実はスケールは違えど関連性と相関性があるのです。

ネトウヨ化は中国や韓国でも同じことが起きています。

では日本は今後どうなっていくのか?
ネトウヨの活動が先鋭化して行くだろうと思われます。
実際にネットを通じて人が集まり、具体的な行動を起こすようになっています。
武力行使をする武闘派の登場もはじまっています。

例えば、大津市いじめ自殺事件では虚偽の報告をした教育委員長がさいたま市の大学生に襲撃されています。
他にも東電施設に火炎瓶を投げつけて自殺する者の登場、尖閣諸島に上陸する活動家など先鋭化しています。

ネットを超えたネトウヨの活動は、日本に変革をもたらすために現日本政府と敵対し、日本を敵視する国々と敵対するため、もはや右翼ではなく急進左派の左翼と化します。今後、シャープやソニーといった日本のモノづくりを象徴する会社が低迷すると、それに比例して人々のネトウヨ化が進み、個人の貧困や格差といった不満がネトウヨに吸収され、大規模なデモ活動へと繋がっていく恐れがあります。竹島・尖閣領有問題でも同じことが考えられます。

正当な反対運動が社会に不満を持った人々の暴力的なハケ口になる可能性があります。一触即発です。下手をすると60年代安保闘争のような過激なデモが相次ぐ可能性もあります。

過激化する中国と韓国に対して静観を決める政府に業を煮やした自衛隊のクーデターもあるかもしれません。

排日運動が高まれば、中国から日系企業の撤退もあり、日本のモノづくりは海外拠点を失い低迷する可能性もあります。
このような事態になっても決しておかしくはない状態にきています。

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