シンギュラリティと大失業時代 その9 サトリ化する人類

0.03秒だけ速い株の高頻度トレードや、相手の手の動きを超高速度カメラで解析し、絶対負けないじゃんけんロボなど高度な先読みをするテクノロジーが存在していますが、これらが普及して行くと「」で決まる計算格差(コンピューティング・デバイド)社会が誕生します。

先読みと言えば、日本には覚()という妖怪がいます。
どんな妖怪かというと、中部地方を中心に日本各地に伝わる猿のような妖怪で、真っ黒く長い毛に覆われた姿で、山に棲み人の心を読み取る能力を有するし、もし捕らえようとすれば逃げ出すため、捕らえることはできないという。

妖怪サトリ
妖怪サトリ

以下はサトリの言い伝えです。

基本的には危害を加えないことが多いが、地域によっては人の心を読んで隙あらば喰ってしまおうとするさとりもいるらしい。
きこりが山小屋で火を焚いていると、凶悪なサトリが現れ、きこりの心を読んで隙を窺って喰ってしまおうとした。

ところが樵が囲炉裏の火に薪をくべたとき、偶然、それが覚にぶつかった。サトリはびっくりして逃げていったという。同様に作りかけのカンジキがはねてぶつかったとか、刈っていた柴が偶然、サトリに当たったとか、桶屋が桶を修理しているときに手元が狂ってタガが外れて怪物の顔面に当たったとか、似たような話は各地に伝わっている。
どうやら、サトリは意図しない出来事に弱いらしく、恐ろしくなって逃げ出してしまうようである。

▼サトリの化物(昔話)

1973年に東陽一監督で「日本妖怪伝 サトリ」として映画化もされています。

▼日本妖怪伝 サトリ

人々がもし着装できるウェアブル・デバイスを身に付けるようになったら、妖怪サトリのような人達だらけになってしまうでしょう。

極端な話、分からないことがなくなってしまう世界です。
これは個人が自分専用の検索エンジンを持つようなものです。

しかし、先読みできる者同士が先読みをし合うとどうなるかというと、未来を見通せなくなってしまう可能性があります。
もし検索エンジンが自分のデータベースを検索しはじめたら、一生終わらなくなってしまいます。

同様に、人間が自分の脳を解析しはじめると、リカージョン(再帰)が起きて、いわゆる自閉症と同じ症状になってしまいます。

意識は内側に向かい過ぎると必ず破綻します。外へ外へ出て行かないと、意識が永遠に堂々巡りしてしまい失われてしまうのです。
意識を失わないにしても、人が先読み能力を手に入れると、予期せぬ危険に敏感になり過ぎてしまいます。考え過ぎて行動できないようなものです。
人間にとって、リスクを積極的に冒さないことは、最もリスクが高いと言われており、世の中は失敗を恐れる人だらけになってしまいます。

しかし、こういった危険とは裏腹に第5世代コンピュータの開発は着々と進んでおり、最も有力視されているのが「量子コンピュータ」だと言われています。
先日、神の粒子「ヒッグス粒子」が発見されたと大騒ぎになりましたが、量子コンピュータとはいったいどんなコンピュータなのでしょうか?

続く。

【引用元 goo イメージサムネイル】

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