カジノ資本主義の終焉 迫る第三次世界大戦 前編

2012年1月10日 世界終末時計、1分進んで「残り5分」というニュースが報道されました。

世界終末時計というのは、人類滅亡までの残り時間を象徴的に示すもので、米科学誌「原子力科学者会報(BAS)」が新年になると会報誌の表紙で発表しています。

その時計が1分進んだというニュースです。

つまり、滅亡まであとわずかという意味があり、滅亡するのに5分もあれば十分という意味も込められています。

なぜ1分進められたのか?

ひとつの理由として、我々がよく知る福島第一原子力発電所の放射能漏れ事故があります。他には、核兵器拡散の危険性が増大したことが要因となっています。

核兵器拡散の危険性は今とても大きな問題となっています。

核兵器拡散が最も危険視されているのは、イランの核開発問題です。

順を追って説明していきますが、場合によっては第三次世界大戦が勃発する危険性があります。他人ごとではないのです。

まさかと思うかもしれませんが、世界は今重大な危機に直面しているのです。

そして、その経緯は複雑で厄介な問題を孕んでいます。

なにが複雑かというと、本音と建前があるからです。

まずはイランの建前から見ていきましょう。

イランは自国に原子力発電所を建造したいと考えています。

原子力発電所を作るには燃料となるウランが必要です。

天然に存在するウランは核分裂しないウラン238が多いので、核分裂するウラン235だけを濃縮すると、原子力発電所の核燃料をつくることができます。

この濃度をさらに高めるとウラン型原爆、いわゆる核兵器を製造することが可能です。ウランの濃縮施設があるということは、核兵器開発だけでなく、濃縮ウランの輸出が可能になります。イランはもちろん核の平和利用を強調しています。

イランは「核兵器を製造するつもりはない。核の平和利用は認められた権利のはずだ」と主張しています。

一方、欧米各国はイランの核開発に猛反対しています。その建前と理由はこうです。

前提に核拡散防止条約というものがあります。

第二次世界大戦時に使用された究極兵器「原子爆弾」は、戦後に核抑止理論という戦略を作り出します。

どういうものかというと、対立する二国間で壊滅的な結果をもたらす核兵器を保有している時、攻撃されれば報復が待っているので迂闊には使えない、というものです。

人工衛星による早期警戒システムと大統領権限での絶対報復主義とあいなって、しっぺ返しを生み出します。

要するに金玉の握り合いをしているので、核兵器保有国同士は戦えない=決戦兵器が使えない=冷戦状態を生み出します。これが核抑止力です。

しかし、核抑止力には欠点があります。第三国がこっそりと核兵器を保有し、そういった国がいくつもできてしまうことです。

対立する二国間が睨み合って硬直状態に陥っているとします。ここに小国が核兵器で後ろから狙っていると分かれば、バランスが崩れてしまいます。

核抑止力というのは全世界が滅亡する可能性への躊躇が最大の武器であって、実際に使ったら負けなのです。

そして、必ず核兵器を使う側は大国でなければならないのです。

一方の国が大きく、一方の国が小さい場合、損害比率は大国の方が大きくなってしまうからです。

例えば、人口が10人にも満たない国があったとします。テロリストだけで構成された国で、独自に開発した核兵器を驚異として世界から独立を認めさせたとします。

超小国に対して核兵器は不利です。自滅を覚悟した彼らに核兵器を使っても、自国へのダメージの方が大きいためです。

使用を躊躇させるだけのデメリットが核抑止力となっているので、核ミサイルを発射した後に戦闘機で国を捨てて逃げ出せるような状況では割が合わないのです。

こういったことを防ぐために、1968年に核を持つことができる国を、その時点(核拡散防止条約)で核兵器を持っていた5つの国だけに限り、他の国が核兵器の開発をすることを禁止したのです。

5つの国とは、、旧ソ連、、中国です。

日本は敗戦国なので、非核三原則を掲げて核保有を放棄しています。

条約に加盟した国は核を開発しない、核兵器を持っている国は、その技術を他国に教えてはいけない、ということになっています。

とはいえこの条約は核兵器を持っている国々が勝手に決めたことです。

核開発はなにも核兵器を作るだけのものではありません。核の平和利用もあります。

原子力発電所という石油に換わる新たなクリーンエネルギーを生み出す技術は大いに期待されました。

すると当然のことながら、「核兵器は作らないが、原子力発電所は作りたい」という国が出てきます。

5つの国は核開発が許可されて、他の国々はダメというのはおかしな話です。

反発が起きたのは当たり前です。

そこで、原子力発電所を建設する国は「核兵器を持たない」ことを条件として、核保有国から技術を教わったり、原子力発電所を建設してもらったりできるようにしました。

しかし、原子力発電所を建造するということは、技術的に使用済み燃料などから核弾頭の元となる濃縮ウランやプルトニウムを作ることが可能になります。

これでは危険なので、核を危険な技術に転用していないかを検査する必要が出てきます。この検査をする組織がIAEAで国際原子力機関です。

上記5つの国以外は原子力発電所を導入したら、必ずIAEAの定期検査を受けることが義務付けられています。これを核査察と呼びます。

イランの核開発になぜ欧米各国が反対したのかなのですが、それはイランがIAEAの査察を拒否して独自に核開発を進めてしまったからです。

IAEAの代表国であるアメリカはイランに対して原油の不買という経済制裁という措置を取ると宣言し、対するイランはホルムズ海峡を封鎖し、中東の原油が輸出されないようにする経済封鎖を行うと宣言しています。

北朝鮮も同じくIAEAの査察を拒否したり、嘘をついたりしたことで苛烈な経済制裁を受けています。

ホルムズ海峡は世界の原油の3割が通過する大動脈です。

もしホルムズ海峡が封鎖されれば、国際原油市場で価格が2~3割上昇する可能性があるとされています。

脱化石燃料化は進んでいるとはいえ、その依存率はまだまだ高く世界に原油が行き渡らなくなれば、EUや中国、インドは大打撃を受けます。

ホルムズ海峡危機を回避するため、イギリスとアメリカは空母をペルシャ湾へと派遣しました。

イランがホルムズ海峡を封鎖すれば軍事制裁も辞さないという構えです。

表向きはこのような理由です。

前述したように物事には必ず裏と表、本音と建前があります。

イランが核開発をしたい理由にも、アメリカがイランに制裁を加えたい理由にも、必ず本音が隠れています。

では、お互いの本音はなんなのでしょうか?

中編に続く。

【引用元 goo イメージサムネイル】

関連記事