プロキシボットが世界を変えるかもしれない話

面白い話が飛び込んできた。
自分の代理をしてくれるロボットが製品化されるという話だ。
シリコンバレーのベンチャー企業、エニーボッツ(Anybots)が開発し、今月出荷を開始した製品で名前は「QB」というらしい。

QBは米国で「テレプレゼンス・」と呼ばれているロボットの一種で離れた場所にいる人がインターネットを通じて操作でき、その人の代わりにそこにいる人々と会話することを目的としたロボットで、「代理ロボット()」とも呼べる。

QBの左目にはカメラが設置されており、そのカメラの映像が操作者の画面にリアルタイムで映し出されて、操縦者はパソコンでまるでグーグルストリートビューを操作するような感覚で操作ができる。

日本では代理ロボットというと藤子不二夫の漫画パーマンに登場するコピーロボットが有名だよね。
コピーロボットがあればどんなに便利かと思った少年時代が懐かしい。

さて、このプロキシボットなんだけれど、なにが凄いかというと、ネットに接続されて遠隔操作ができる技術であるため、ネットとリアルを結ぶことができるんだよね。これを2.5次元系と呼ぶ。

つまり、例えば今中国から大量の富裕層が日本に訪れて、秋葉原や銀座あたりで買い物をしているようだけれど、外国人が入国をせずにプロキシボットを使って買い物ができる可能性が浮上したわけだ。

いま世界中で各国の大型ショッピングモールが提携しようとしているけれどいまいちうまくいってない。なぜかというと、やはりコミュニケーションがうまく介在していないからだと思う。

おかしな翻訳メッセージを読んで買いたいという人はあまりいない。
しかし、もし日本にある現実の大型ショッピングモールでプロキシボットを使えたら世界のどこにいてもクレジットカードさえあれば買い物が楽しめる可能性があるんだよね。

例えばこんなことができるかもしれない。
プロキシボットを操作して店員とリアルタイムで会話をする。
商品説明を求めたり、試着や試用を求めることができる。
もちろん自動翻訳されるだろう。

試着についてはサイズと素材を端末に入力して自分のボディサイズに合うかどうかをシミュレーションするソフトで比較する。
試用についてはモニターで確認できないものは店員に実演してもらうなどでカバーできるかもしれない。

日本では楽天やヤフーが幅を利かせてリアルのショッピングは低調気味だけれど、ネットからリアルにあるお店や街にプロキシボットを派遣できたら過疎化した辺鄙な土地や駐車場がない店舗でも十分に商売をできる可能性がある。
いまアマゾンの広大な倉庫や大きな図書館ではプロキシボットが大活躍していて無人化が進んでいる。

2.5次元の拡張現実市場はどんどん拡大していて、ショッピングに留まらず海外旅行や観光もプロキシボットで可能になるかもしれない。
問題はイチバンの楽しみである食事が体験できないことだろうか。
これはお土産を買ってあとのお楽しみとするしかない?
他にもお墓参りや会議などもプロキシボットで代行できるだろう。

うまくアクションが追加されれば簡単な仕事もできるようになって、低賃金の国からプロキシボットを使った出稼ぎ労働者なんかもやってくるかもしれない。
医療現場でも遠隔化とプロキシ化は進んでいて、海外の医師がプロキシボットを操作して遠隔の患者を治療するケースも増えているという。
学校に通うのもプロキシボットに任せてもいいかもしれない。
忙しくて通えなかった人達も学校で学ぶチャンスかもしれない。

現在、アバターを使ったコミュニケーションでお馴染みのアメーバピグのような世界がすぐそこまでやってきている。
いってみれば義手や義足のようなもので、義顔、いや義体のようなものか。
整形する必要もない。まるで攻殻機動隊の世界だ。

で、なにがイチバン凄いかっていうのは、今までは人の移動や輸送には乗り物を使うしかなく、そして輸送技術の革新が最重要視されていたんだけれど、プロキシボットが普及すると、輸送技術がそれほど重要でなくなる可能性があるんだよね。

その場から人間を移動させるのではなく、ネットを使って意識だけを運べば済むわけだから入国だとか出国という手続きはいらない。
自分が移動するのではなく、環境を自分にあわせるという人間様お得意の芸当ができる。すると無闇に人が集まらなくてよいわけだから、施設を増やす必要はなく環境破壊も起こりにくい。

市場が拡大化すれば廉価されて、自立式のプロキシボットもすぐに登場するだろう。GPSと連動して今日の夕飯ぐらいなら自動的に購入して届けてくれるぐらいの進化はするだろう。

お金持ちなら一人で何台ものプロキシボットを操り生産性を上げるだろうし未来のステータスは車や宝飾品なんかではなく、どれだけ優秀な自分の分身ともいえるプロキシボットを所有しているかになるかもしれない。

これから少子高齢化が加速するから、先進国では新たな奴隷と植民地化としてプロキシボットがキーワードになるかもしれない。

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